スプリンクラーポンプ加圧運転

目次
スプリンクラーの圧力が下がっていませんか?
あなたのビル現場では、スプリンクラーの圧力が下がりませんか?
巡回点検時に、ゲージ圧力計の数字を毎日記録してみてください。
もし、自然に圧が下がっているのであれば加圧しなければなりません。
加圧とは、スプリンクラーポンプによるポンプアップです。
なぜ、スプリンクラーの圧力が自然に下がるのか?
スプリンクラーポンプにはアラーム弁というものがあります。
アラーム弁はパイプシャフト内にある、流水を検知する装置です。
また、アラーム弁は流水を制御する弁でもあります。
アラーム弁が経年の水頭圧に耐えられなくなると自然減圧します。
もし、スプリンクラーの圧力が下がった場合
※0.80Mpa以下でスプリンクラーポンプが自動起動します。(最も多いのが、※0.76Mpaあたりです)
屋上の消火用補給水槽が減水しないように、自動起動設定がされています。
もし、減水によりスプリンクラーポンプが自動起動した場合は厄介です。
スプリンクラーポンプが運転されると、館内全体で火災警報が発報します。
【※数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】
ここまでのまとめ
- アラーム弁が水頭圧の負荷に耐えられなくなります。
- 屋上の消火用補給水槽の水位が下がり、圧力も落ちます。
- 圧力が下がるとスプリンクラーポンプが自動起動します。
- SPポンプが自動起動すると館内全体で警報が発報します。
事前にポンプアップで加圧をしなければならない理由
ただポンプが運転されただけでは、スプリンクラーは発動されません。(天井から散水されません)
その辺は安心できますが、スプリンクラーは火事を想定しています。
館内で火災警報が発報しますと、「火事か?」と周囲の人が驚きます。
また、ビル現場によっては契約された警備会社にも通信で発報されます。
それを避けるため、圧が下がる前にSPポンプを運転して加圧をします。
スプリンクラーポンプライン
加圧とはスプリンクラーポンプの締め切り運転です
締め切り運転と謳っているが、そんなことをして事故にならないのか?
ご安心ください。大丈夫です。
わずか30秒ほどの手元運転です。
また、圧の逃げ道もあります。
作業終了後に重要な確認をします
ボールタップが戻れば給水は止まります
ボールタップが戻らなければ給水され続けます
漏水事故防止のために補給水の停止を確認します
加圧後に、必ず確認しなければならない箇所があります。
それは、呼び水槽内のボールタップです。
ボールタップの戻り具合と補給水の停止を確認します。
ポンプアップ後は、空になった呼び水槽に水が補給されます。
呼び水槽内のボールタップは、経年で動きがシブくなります。
動きがシブいと、ボールタップが戻らずオーバーフローします。
ですから、加圧後は必ずボールタップの戻りを確認してください。
もし、ボールタップが戻っていなければ、手で動かせば戻ります。
全体のまとめ
- アラーム弁が水頭圧の負荷に耐えられなくなります。
- 屋上の消火用補給水槽の水位が下がり、圧力も落ちます。
- 圧力が下がるとスプリンクラーポンプが自動起動します。
- SPポンプが自動起動すると館内全体で警報が発報します。
- 火災警報の発報により館内が非常事態に陥ります。
SPポンプの自動起動による火災警報を避けるため、事前にSPポンプの締め切り運転をします。