Building management & Energy management

ごみ焼却場の仕事

🏭高齢者に清掃工場が合わない理由

あなたが、清掃工場で働く前に知っておくべき業界事情をお伝えします。

ビル設備管理業界は高齢者が多い業界です。

それは、保守管理という業務形態に、まったりとしたイメージが定着しているせいです。

よって、高齢者が第二の人生で、活躍できる場を求めて再就職を決めに来ます。

清掃工場も新聞で折り込み求人を出せば、高齢者からの応募だけで面接が埋まるほどです。

しかしながら、清掃工場は、まったりとしたビル設備管理のような保守管理と違います。

なぜなら、清掃工場の仕事は予想に反して重労働です。

重労働とは大きく分けて『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』といった仕事です。

また、『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』以外にも煩雑な仕事があります。

それらは長い年月をかけなければ得られない、成熟したスキルが求められます。

キャリア形成のため、スキルアップ分逆算して若さも求められます。

もしあなたが年を重ね過ぎているのであれば、今から修行をする根性がありますか?

清掃工場の仕事はとても、腰掛で来た高齢者じゃ請け負いきれません。

申し上げにくいのですが、通常のお仕事は4~5年修行をすれば、あとは惰性でしのげます。

しかし、清掃工場の仕事は一生修行です。

なぜなら、あまりにも難しいのです。

現場経験が豊富な指導員クラスの高齢者が中途採用されるのでしたら話は分かります。

しかし、未経験の高齢者が、残りの仕事人生をまったりと過ごすために来られては困ります。

それは、一生懸命仕事を覚えようとしている若者にとっても迷惑な話だからです。

 

若者の力が必要です

35歳以下で清掃工場に転職を決めたいあなたへ

実際に、ごみ焼却班の『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』では何をするのか、それらを以下の囲い枠で簡単に説明します。

頭脳労働

頭脳労働はCRT(運転監視操作卓)での燃焼操作・焼却炉の立ち上げ下げシーケンス制御操作等。

肉体労働

飛灰固化機械廻り清掃作業/ごみクレーンバケット及び灰クレーンバケットの清掃作業。

各種重機運転作業

ごみクレーン操作・灰クレーン操作等(各種作業車両運転/粗大不燃班)

35歳以下のあなたに知ってもらいたい将来設計

上の囲い枠に羅列した労働内容をイメージしにくいかとは思います。

ですが、もし若いうちに清掃工場で、これらのスキルを学んでおけば、将来ビル設備管理業界でも応用が効きます。

もし、あなたが将来ビル管業務に就いたら、仕事が楽に感じられると思います。

例えば、ビル管の専門用語は清掃工場の専門用語と共通しています。

若いうちに清掃工場で修行しておけば、“先輩たちが何を言っているのか分からない”なんてチンプンカンプンなことはありません。

なぜなら、修行によって頭の中で設備リテラシーが出来上がっているからです。

ですから能力しだいでは、将来優位な立場でいられる可能性が高いのです。

また、設備を理解しているから現場作業もしやすくなります。

言わば設備の基礎を学ぶためのステップとして清掃工場をおすすめしています。

そして、実際に清掃工場で働いてみると、その面白さも分かります。

もしあなたが業界未経験でも心配いりません。

資格がなくても大丈夫です。

高卒以上35歳以下であれば、あなたがフリーターでも応募してみるべきです。

なぜなら、若い人は採用されやすいからです。

高卒以上35歳以下の若者が採用されやすい…あくまでも個人の見解です。あなたが確実に採用されるという保証はありません。

清掃工場で働く前に知っておきたい仕事内容

💻 テクノロジーあふれるCRT操作

頭脳労働の『CRT操作』をご紹介します。

まずはじめに、運転監視操作卓CRTを使いこなすための予備知識を得ていただきます。

例えば、焼却炉の炉温というのは各自治体規定温度により、おおむね850度以上を維持しなければなりません。

炉の規模にもよりますが、ベストな温度は1020度~1050度の間です。

1100度まで達するとレッドゾーン(重警報域)に入りHCL、CO、NOX、SOXといった様々な公害を生み出します。

また、炉温850度以下では未燃物を生み出し、低燃焼による公害(CO)も出ます。

自動運転から手動運転まで幅広く操作ができるCRT

CRTは本来、温度調整は自動制御です。

しかし、ピットに入ってくるゴミ質が温度に影響しますので、燃焼状態が悪化すれば手動介入をして燃焼調整をします。

それと同時に公害も発生しますので、CRTで手動介入をしてトレンドグラフを見ながら調整をします。

例えば、破砕ゴミと呼ばれる大量のプラスチックごみを、どうしても焼却処分したいときは燃焼状態が悪化します。

大量のプラスチックごみの焼却処分により燃焼状態が悪化すると、燃焼温度が上がりますので、公害が発生します。

そのとき消石灰、もしくはアンモニアを手動介入して、排ガス処理設備に吹き込み、公害値を下げます。

公害値を制御するには
  • HCL(塩化水素)とSOX(硫黄酸化物)の値を下げたいときは消石灰制御をします。
  • NOX(窒素酸化物)の値を下げたいときはアンモニア制御をします。
  • CO(一酸化炭素)の値を下げたいときは燃焼調整をします。
公害値まとめ
  • 公害が出る温度範囲と公害が出ない温度範囲があるというふうに思ってください。
  • もしCRT画面上に公害値が出たら、それぞれの公害に適した薬品を排ガス処理設備に吹き込みます。

💀 ペットボトルのリサイクルこそ資源の無駄使い

『元々ペットボトルは新品をつくればペットボトル2本分の石油がかかり、リサイクルからつくると3.5本分かかるものなのだ。資源節約という意味ではリサイクルは本末転倒もいいところだ』
【出典/ずっと信じていたあの知識、実はウソでした!(宝島社)/本文より】

ペットボトルはリサイクルしないで、燃えるごみで出してしていただく方がいいのです。
その方が焼却炉の炉温調整にも役立ちます。
ペットボトルや紙ごみは、生ごみと混ぜて燃やすことによって燃焼調整が取れます。

誤解を恐れずに申し上げます。
紙ごみやプラスチックごみは、燃やした方が清掃工場のメリットになります。
省エネ、発電、衛生面などの観点から燃やした方が効率的です。
燃やすことによる公害や温暖化の心配もありません。

💀 「なんでもかんでも燃やしてるって‥」燃えるごみと燃えないごみとの選別はどうしてるの?

例えば、清掃工場にはパートのおばさんが何人もいて、燃えるごみと燃えないごみを選別しているイメージがあるかと思われます。
実際はどうなのかというと、パートのおばさんによるごみの選別はしていません。
清掃工場は少数精鋭で運営しているので、パートのおばさんはいません。

ごみの選別をするとしたら、運転員による大分類なごみの選別しかしません。
というよりも大分類な選別しかできません。
なぜなら、法令に即して生真面目に、何トンものごみを選別するのは不可能だからです。

大分類な選別とは?
例えば『巨大な石』『ブロック』『鉄類』『蛍光管』『水銀を含むゴミ』などです。
パッカー車(収集車)に紛れて入ってきたこれらのごみは、燃えないごみとして扱われます。
それらは見つけ次第、粗大不燃まで運び処分します。

🏭ゲーム感覚で楽しいゴミクレーン操作

清掃工場で使用されるクレーンはいわゆる天井クレーン(5t)というものです。

巨大なUFOキャッチャーをイメージしていただけると分かるかと思います。

この巨大UFOキャッチャーでピットのゴミを鷲掴みにしてホッパーに投入します。

今のようなちょっとした動作だけでもコツがいりますので、熟練した技術が必要です。

尚、建設業で使用されるクレーンは移動式クレーンと呼ばれるものです。

天井クレーンとは免許が異なります。

クレーンは2台運転もできます

忙しい時間帯は2台運転で対応します。

しかし応援が足りず、1台運転で急場をしのがなければならないときもあります。

そういったときは1ノッチから3ノッチまでシフトチェンジをして、スピーディーに対応します。

そのときワイヤーロープがキンク(ねじれ)や素線そせん切れを起こさないように注意が必要です。

ですから、忙しい時間帯は2台運転で、あわてないように作業をするのが無難です。

地切りじぎり』と『撹拌かくはん

ごみクレーンの一連の動作はまず、パッカー車(収集車)から投げ込まれたピット手前の新しいごみを鷲掴みにして、地切りをしてから持ち上げてピット全体にばらまきます。
地切りは以下の動画でご紹介します)

つまり、新しいごみと古いごみを混ぜるといった要領です。

しかし、それだけでは古いごみの上に新しいゴミが上積みされているだけなので、良い状態ではありません。

じゃあどうするのかと言いますと、再度、ばらまかれたごみの上から掴み直して持ち上げます。

そしてもう一度、ピット全体に散りばめる感じでばらまきます。

これを撹拌と言います。

ちゃんと撹拌がされていなければ、燃焼状態が悪くなります。

そしてホッパー内のごみが少しずつ減っていくので、投入要求のチャイムが鳴ったらタイミングを見計らって投入します。

クレーン運転士免許を取得するには

専門のクレーン運転士がいる事業所もありますが、ほとんどの事業所ではローテーションを組むため、班長以下のプラント運転員は全員クレーンの免許が必須です。

クレーン運転士(5t)免許は各都道府県の専門の技術教習所で受講します。

技能講習と特別教育を約7日間受けてから本試験に合格し、晴れて取得です。

合格率ですが、ほとんど全員が合格します。不合格の事例もありますが稀です。

技術教習所の費用は13万5千円ほどです。もちろん会社負担です。

出典/石川島技術教習所神奈川センター教習案内】

動画解説:ごみクレーン地切りから、投入までの動作

•動画冒頭部の小刻みな動きが地切りです。

•ごみを掴んでバケットを地面から1m吊り上げた状態でゴミ投入量を調整します。

•ごみ投入要求のチャイムが鳴り、ごみを2.0t~2.5tほど鷲掴みにして地切りをします。

•ワイヤーロープに負荷をかけないように、ゆっくりとした動作でホッパーにごみを投入します。

求人広告の『環境プラントの運転・維持管理』って実際どんな感じ?

👥 環境プラントの運転員は公務員ではありません

まず『環境プラント』とは、世間が持つイメージが悪くならないように清掃工場を美化した呼び名です。

たまに新聞の折り込み広告で『環境プラントの運転職員募集』といった募集広告を見かけます。

これは公務員募集の求人広告ではありません。民間業務委託により末端で働いてもらうプラント運転員を募集しています。

’00年頃から東京23区をはじめとして、現場作業に準ずる人たちだけを対象に、徐々に公務から民間企業への業務委託が始まりました。

因みに民間業務委託への波はプラント運転員だけにとどまらず、パッカー車(収集車)運転手にも及んでいます。

話を戻して「じゃあ環境プラントにいる官の人たちは何をやってるの?」と言うと、○○衛生組合職員として外注業者との折衝や、諸々の事務仕事などをしています。

そして、民間業務委託の運転員(現場作業者)は、官にあたる衛生組合職員のスケジュール管理下で職務を執り行っています。

尚、衛生組合職員と民間の運転員は一緒に現場作業はしません。

関係性はあくまでも衛生組合のスケジュール管理下で、運転員が自立して現場作業を消化していくといった感じです。

つまり、べったりな関係ではありません。

例えば、タービン発電機並びに焼却炉の立ち上げ下げ、全炉停止等の大きな計画予定は衛生組合が決めています。

その運用計画にならって運転員が煩雑な現場作業をします。

また、民間委託会社の人が衛生組合職員と折衝する場合は、主に上層部の人が話し合いに出向きます。

📰求人募集広告から見た環境プラントで働くメリットとデメリット

実際にあった某プラント会社の求人募集例を公開(2004年度)

【雇用形態】
正社員
【業務内容】
環境プラントのオペレーション並びに施設・設備の点検及びメンテナンス等
【資格】
56歳位迄、高卒以上、機械・電気の知識がある方歓迎
*クレーン(5t以上)・2級ボイラー・2種電気工事・危険物乙4・酸欠等の有資格者尚可
【勤務】
•日勤…8:30~17:15(実働8H・休憩45分)
•交代勤務
[1直] 8:30~17:15(実働7.75H・休憩1H)
[2直]16:45~翌8:45(実働15H・休憩1H)
【休日】
•日勤…日曜日、土曜日
•交代勤務…3勤1休(1直―2直―明休み―休み)
【給与】
基本給155000円~230000円(他に時間外・深夜手当あり)*年齢・経験等を考慮します。
【待遇】
昇給年1回、賞与年2回(1か月分×2)、各種社会保険完備、制服貸与、有給休暇、通勤交通費、有扶手当支給他

初めての人に分かりやすく【資格】と【勤務】と【給与】を解説します

【資格】

年齢が56歳位迄とされてありますが、年齢層の受け入れ幅が広い理由をお伝えします。

環境プラントは免許の要らない小型貫流ボイラーは扱いません。免許が必要な大型蒸気水管ボイラーを扱います。

大型蒸気水管ボイラーを扱う仕事は経験と知識がものを言います。それを考慮した上で経験者を優遇し、高めの年齢設定をしています。

しかし、本当は未経験の若者に来てもらいたいのです。

資格は『クレーン・2級ボイラー・2種電気工事・危険物乙4・酸欠等の有資格者尚可』ですが、別に持っていなくても何の問題もありません。採用後に取得できます。

【勤務】

•日勤…8:30~17:15(実働8H・休憩45分)とありますが、これは主に整備班・粗大不燃班と呼ばれる日勤班のシフトです。

•交代勤務
[1直] 8:30~17:15(実働7.75H・休憩1H)
[2直]16:45~翌8:45(実働15H・休憩1H)とありますが、これは主に焼却班・灰溶融班と呼ばれる交代班のシフトです。

新人のあなたがもし採用された場合、交代勤務に配属される可能性が高いです。

仮眠について
交代勤務の[2直]は仮眠があります。

ですが、本来仮眠は衛生組合の仕様で『〇時間とること』というふうに決められていません。

なぜなら、危機管理上寝てはいけないことになっているのです。

しかし、人間の生理上、"夜間眠らないのは自律神経に異常をきたす"といった理由から、暗黙で仮眠の了解を得ています。

ですから仮眠時間は班長の裁量により各班でバラバラです。だいたい3~4時間と思ってください。

話が横道に逸れますが、建物設備管理業界において仮眠の無い現場は多いです。

健康や仕事のパフォーマンスを維持させるためにも、『屋内での業務従事者に対し夜勤には交代制をもって仮眠をつける』といった内容を法令で決めるべきだと思います。

【現在、雇用主は勤務中に仮眠の時間を設ける義務はありません/労働基準法には仮眠時間の記述なし[2019年度更新情報]】

配属について
もし泊まり勤務が苦手な場合は、面接時に希望を出せば日勤班に配属される可能性もあります。

ただし空きがある場合です。

しかし、もしあなたがスキルアップ、言わば修行のために入社を望むなら、断然焼却班をおすすめします。

なぜなら、焼却班は仕事の守備範囲が広く、様々な事象も多く、そこから色々な学びがあるからです。

【給与】

昔は老舗のプラント会社が特化した技術をウリにして、安定した年次契約で事業を運営していました。

その理由は、年度末の入札で、環境プラントに着目する企業が少なかったのです。

それが幸いして、数少ない老舗のプラント会社が、契約をつないで安定した運営をしていました。

’00年代は環境プラントの民間業務委託が義務化されて間もない、混沌とした良き時代でもありました。

また、従業員の給料も申し訳程度ですが、安定した収入を得られていました。

もちろん正社員ですから賞与もあります。

しかし、ここ最近では何の技術も持たない人材派遣会社が、イケイケどんどんで迫って来ています。

「自分たちにもこの仕事はできる!」と勘違いし、入札競争に参加する事態が増えています。

その結果、人材派遣会社が安い金額で、次々と落札して現場を獲得しているのが現状です。

因みに入札競争のルールは、数ある申請のなかから一番安い請負金額を提示した企業が選ばれます。

ですから、現在、事業所によっては従業員が時給でアルバイト扱いされているところもあります。

なんと、環境プラント運転員の求人募集に「時給○○○円」と表記されているケースもあります。

ですから、求人募集している会社が、派遣会社か老舗のプラント会社かをHPで見極めてください。

設備業界だけにとどまらず、どの業界も雇用の怠慢化は深刻です。

一人一人が発言の場を借りて改善に向けて訴えていくしかありません。

環境プラントの主な職務内容

🏭 環境プラント業務は近代化されたボイラー管理業務

環境プラント業務を具体的に言うならば、環境プラント業務とはボイラー管理業務です。

それも旧態依然の全部手動で制御するボイラーではありません。

今ではコンピューター自動制御が主流です。

近代化された設備の中で仕事をすれば、テクノロジーとの親和性すら感じます。

よって、働く方のセルフイメージも上がります。

私たちは、つい「ごみ焼却場」と呼んでしまいます。

よって、「ごみ=たいしたことない」といった認識が少なからずあります。

そういった認識から、世間の印象はあまりよくないものと思われがちです。

ところが、実際そんなことはありません。

そこで働く人たちは、れっきとしたボイラー技士です。

環境プラントの衛生面

施設内では臭いのキツイ場所がありますが、我慢できないほどの臭いではありません。
現場を清缶剤で消臭していますし、何時間も同じ場所に居るわけではありません。
そこは、浴室・洗濯機がありますので大丈夫です。
(現場はマスク着用です/一部の場所では防護服着用です)

ローテーションが組まれた1日の流れを解説

環境プラントは大きく分けて、ごみ焼却運転班・粗大不燃班・灰溶融班の3つに仕事が分かれます。

このサイトでは、ごみ焼却運転班を主体で解説させていただきます。

まず、仕事でやることを大別すると『プラントの運転』『設備営繕』『保守管理』です。

ドーム球場くらいの大規模な事業所では1班~4班までの班編成で、ひと班おおよそ6人です。

班員編成はトップの班長、二番手の副班長、以下は(焼却)運転員です。

おおよそ6人の班員たちで1日のスケジュールをローテーションで回していきます。

例えば、1人はクレーン担当で、2人は巡回点検で、2人は現場作業で、1人は中央監視といったところです。

巡回点検の2人と現場作業の2人は1日のメニューが終われば中央監視の補助に入ります。

これらの仕事を日ごと巡繰りで回していきます。

中央制御室内では具体的になにをやるのか?
💻オペレーターが知っておくべき4つの中心的な仕事

1.CRTによる燃焼監視

中央制御室にいる人たちは、交代で24時間燃焼監視をしています。

燃焼監視ではなにをするのか
  • 運転監視操作卓CRTでCO,HCL,NOX等の公害値を抑えるための操作をします。
  • 炉内に送り込む空気を遠隔操作でダンパを開閉しながら燃焼を調整します。
焼却炉の中はどうなっているのか?

燃焼監視において焼却炉の中を知っておく必要があります。

どの事業所も焼却炉はストーカー式が主流です。
ストーカー式焼却炉 kawasaki

炉内は火格子と呼ばれるブロックを組み合わせて作られたステップが上下に自動で動きます。

そのステップは乾燥段・燃焼段・後燃段というふうに3段の断層で形成されています。
乾燥段・燃焼段・後燃段 kawasaki

まず、クレーンでごみ投入ホッパーから入れられたごみが、給じん機という場所に落とされます。

給じん機とは、ごみ投入ホッパー真下の部分です。乾燥段と呼ばれるステップに自動でごみを小刻みに落としてくれる機械です。

給じん機で小刻みに落とされたごみはゆっくりと、乾燥段→燃焼段→後燃段というふうに自動で移動しながら焼かれます。

もし炉内温度が低いと感じたときは、CRT手動操作で乾燥段もしくは燃焼段を動かします。撹拌の要領です。

撹拌後に焼かれて灰になったごみは、主灰出しゲートに落ちて地下の落下灰コンベヤへ流れます。

なお、手動操作において、後燃段は動かしてはいけません。

なぜなら、後燃段は長い秒数(約480sec)をかけてじっくりとごみを焼き尽くす場所だからです。

もし、うかつに後燃段を手動で動かすと、ごみが未燃のままで主灰出しゲートに落ちてしまう可能性があります。

数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】
ストーカー式焼却炉見取り図

CRTで使われるカスケードモード、オートモード、マニュアルモード

CRTで燃焼監視をする際、薬品の流量と空気流量を調整するためにカスケードモード・オートモード・マニュアルモードといった制御方法を取ります。

カスケードモードとは
カスケードモードは最小の動きで事足りるように演算で割り出された省エネ自動制御です。

温度や流量を、ひとまとめで制御しながら微調整をしてくれます。

カスケードの原義は「小さい滝」です。小さな水の流れをイメージしてください。

カスケードの定義は「小さな操作を積み重ねることで目的の結果を導き出す動作」です。

それらの原義や定義をCRTに重ね合わせると「コンピューターが自動で小さな動作を繰り返して燃焼を安定させている」と理解できます。

言わば、CRTの標準制御です。

標準制御とは、何もないノーマル設定です。

何もないノーマル設定であるため、カスケードモードでは手動操作によるカスタマイズができません。

もし燃焼状態が安定していて、流量調整をする必要がない場合は、何もせずこのままカスケードモードで続けます。

安定した燃焼状態の中、コンピューターが小さな動作で制御してくれます。

カスケードモードとは、安定した状況で活躍する、CRTのスタンダードモードです。

オートモードとは
オートモードは軽警報発報時の初期症状において使われる、言わば早期対応の処方箋です。

「燃焼状態もさほど悪くないし、公害値もまだイエローゾーン、だけど原状回復させたい‥」

そんなときに使うのがオートモードです。

軽警報レベルの燃焼温度調整や公害値抑制であれば、オートモードで手軽に原状回復ができます。

オート(自動)と謳っていますが、手動操作で任意の数字が打ちこめます。尚且つ自動で流量の微調整もしてくれます。

例えば、現場に吹き込む空気や薬品の流量を増やしたい(減らしたい)場合、カスケードからオートにモードを変更して、変更したい数字を多め(少な目)に打ち込むといったことができます。

そしてモード変更後、手動操作で任意の数字が入力されるとCRTが、その数字を現場に効果をもたらす数値として読み取ります。

その後、入力された数値を目標数値としてCRTが認識します。

そしてCRTが、その目標数値に向かい自動追従して現場に信号を送り、空気や薬品を吹き込みます。

それと並行して、自動で炉全体の状況を読み取りながら、演算しつつ流量の微調整もしてくれます。

要するにオートモードは手動制御もできるし、カスケードのように自動制御もできるといった中間的な役割です。

ちょっとした原状回復のためにカスタマイズして使う制御だと思ってください。

オート(自動)と謳っていますが、原状回復したら最後は必ず標準モードのカスケードモードに戻さなければなりません。

マニュアルモードとは
マニュアルモードは重警報発報時に緊急で使われるCRT手動操作です。

流量入力と同時に電磁弁の開閉操作もできますので、操作が直接的かつ効果的です。
(二種類の操作がひとまとめでできます)

もし燃焼状態が極端に悪い場合や公害値が極端に高い場合は、手動操作に変更をして早めに問題解決をしなければなりません。

そこで自動モードのカスケードから手動モードのマニュアルにモード変更をして、現場に効果をもたらす数字を入力します。

そのとき手動操作で打ち込まれた数字は脈動せずに固定されます。

カスケードやオートのように自動でブレません。

トレンドグラフで言うならば、波形のレンジがなくなり、一定の流量で薬品や空気を現場に吹き込む状態が続きます。

したがって、現場への影響が絶大で効果が早く現れます。

マニュアルの制御操作は、言わば、外科的治療と言ったところです。

ところが、もしそこでマニュアルモードにしたままでカスケードモードに戻し忘れてしまうと、とんでもないことになります。

多め(少なめ)に打ち込まれた数字の流量で、そのままずっと現場に吹き込まれてしまいます。

ですから、原状回復したら必ずカスケードモードに戻してください。

制御操作の戻し忘れは、よくありますから注意が必要です。

C・A・Mモードまとめ
CRTの基本モードは、あくまでもカスケード自動制御モードです。

ですが、もし公害値が上がり、各流量を多め(少なめ)にしたいとき、カスケード自動制御モードでは手動操作ができません。

そういった手動対応をしなければいけないときに、オートモードもしくはマニュアルモードを選び、モード変更をします。

モード変更をしたら、現場に効果をもたらす数字を打ち込み、原状回復まで待ちます。

原状回復したら、またカスケードモードに戻します。

例えば、オートモード、もしくはマニュアルモードを使って、CRT操作で薬品を多めに吹き込まなければならない状況を解説します。

「いまNOXの公害値が58ppmを超えたので、カスケードからオートもしくはマニュアルSV値25を入力して、アンモニアを脱硝反応塔に吹き込みます」というような感じで操作します。

SV値=設定値・PV値=現在値/入力数値はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

👓 まめ知識

最終的に灰は灰溶融という部署で溶融処理されます。
溶融処理された灰は「スラグ」と呼ばれ、キラキラと光沢がかかっています。
美しく輝いた灰「スラグ」は化学プラント、もしくは道路工事業者に送られ、舗装道路を作るアスファルトに混ぜられます。
また、ご自宅の庭にスラグを撒くと雑草が生えにくくなります。
スラグを売っている清掃工場と売っていない清掃工場がありますので、入手の際はお問い合わせをしてください。

2.故障警報の監視

中央制御室にいる人はCRTで燃焼監視以外にも、故障警報の監視をします。

故障時においては、各現場設備の復旧対応の指揮をとります。

具体的に言いますと、現場で巡回点検に出ている人たちと無線で連絡を取り合い復旧対応の指示を出します。

無線が混線して現場と連絡が取れない場合は(中央監視の人が2人居る場合)1人が残って1人が現場対応に向かうといった態勢を取ります。

3.焼却炉と大型蒸気水管ボイラー並びにタービン発電機の立ち上げ下げシーケンス操作

ドーム球場ほどの大きさの事業所では焼却炉及び大型蒸気水管ボイラーはだいたい3炉及び3基あります。

シーケンス制御による焼却炉及び大型蒸気水管ボイラーの立ち上げ下げを、オーバーホール(メンテナンス)などの理由から3炉を巡繰りで数か月に1回行います。

蒸気タービン発電機も同様にシーケンス操作で立ち上げ下げを何年かに1回、必要に応じて行います。

因みに小型貫流ボイラーや給湯ボイラーなどはボタンひとつで発停ができますが、大型蒸気水管ボイラーの立ち上げ下げは1日がかりで行います。

解説

焼却炉と大型蒸気水管ボイラーは連結連動しています。
(大型蒸気水管ボイラーとは、廃熱式ボイラーです。1基/最大蒸発量26.1t/h)

シーケンス制御とは並んでいる順番で問題を処理をするフローチャートです。CRTにプログラムされています。

事業所によっては蒸気タービン発電機で電気を起こして電力会社に電気を売っています。

4.各ボイラ設備の号機切り替え操作

高温水設備、機器冷却塔ファン、各給水ポンプなどの号機切り替え操作を週1もしくは月1で行います。

以上、ここまでがオペレーション業務です。

現場作業では具体的になにをやるのか?
👷ボイラー技士が知っておくべき4つの中心的な仕事

1.焼却炉と大型蒸気ボイラーの立ち上げと立ち下げ作業

上記3.で述べました焼却炉と連結連動されている大型蒸気ボイラーの立ち上げと立ち下げ作業ですが、

それもボイラー技士として現場作業の中心となる仕事です。

この立ち上げ下げ作業、中央CRTのシーケンス操作だけでは全てを自動で処理できません。人の手が介入します。

また、給湯ボイラーで言う「ボタンひとつで発停」ともいきません。

立ち上げ下げはまる1日かけて現場作業と中央CRT操作のコンビネーションでシーケンスを進めていきます。

立ち上げ作業だけをざっくりと説明します。

立ち上げでは、蒸気で配管を温めてから蒸気配管の蒸気通気をします。

それは中央でシーケンスを進めながら、現場作業員が図面を持ち、各蒸気バルブを開けていくといった要領で行います。

作業準備段階の通ガス・通油や作業途中段階の起動・助燃バーナーの装着、取り外しなども人の手で行います。

シーケンスと聞くとどうしても人の手が介入しない全自動のイメージがありますが、実は額に汗した肉体労働も並行してあるのです。

ですから、シーケンスも現代のテクノロジーではまだまだ改良の余地があります。

将来はAI技術がもっと進歩して、AIが運営するほぼ無人の環境プラントができると私は思っています。

解説

•立ち上がった焼却炉は次のオーバーホール(メンテナンス)までの間、約3か月間に渡って24時間自動運転されます。
そして順番で次の焼却炉をオーバーホールのために立ち下げます。

•焼却炉立ち下げ後、炉内をはじめとする各ボイラ設備のオーバーホールは専門業者が対応します。

•炉内の様子を知ってもらうために、炉内点検はプラント運転員も行います。
炉内点検は専門業者と同行はしません。別行動で行います。

2.ボイラ設備とポンプの号機切り替え操作

各ボイラ設備の運転・停止並びに予備機への切り替え操作、各給水ポンプの予備機切り替え操作を、週1または月1で行います。

作業は現場と中央監視が連携しながら進めていきます。

3.ごみクレーンの運転と灰クレーンの運転

ごみクレーンの運転は、すでにご紹介しましたので省略します。

灰クレーンの運転とは

まず、灰溶融班という作業部署だけでは焼却灰を溶融処理しきれません。

どうしてもリミットを超えてしまいます。

そこで、焼却班でも焼却灰を処理する装置が設置されていて、それを飛灰固化処理装置ひばいこかしょりそうちと言います。

業界用語で「飛灰ひばい」と呼ばれる焼却灰を飛灰固化処理装置にかけ、液体キレートで固めます。

飛灰固化処理装置から出てきたそれは「飛灰固化」と呼ばれます。

フィンランドのアニメ「ムーミン」に出てくるニョロニョロした感じのものです。

そのニョロニョロした飛灰固化と呼ばれるものが灰ピットに集められます。

灰ピットに集められた飛灰固化を灰クレーンでパクッと掴んでダンプの荷台に積みます。

ダンプに積まれた飛灰固化は産業廃棄物処理場に運ばれます。

動画解説:灰クレーン、飛灰固化搬出作業

•ごみクレーン・灰クレーン共に免許は一緒です。

•因みに建設業で使われるクレーンは移動式クレーンと呼ばれるもので、環境プラントで使われているクレーンとは免許が違います。

•ダンプ運転手は協力業者です。

4.休炉中のボイラドラム全ブロー・水張り・満水保缶

ボイラドラム全ブロー

本来、ボイラー停止後はボイラドラム内の酸化による腐食を防止するため、ボイラドラムは水を張ったままの状態にしなければなりません。

しかし、オーバーホールのために数週間休止しなければならない場合は、ボイラドラム内の水を全部抜きます。

これを全ブローといいます。

そのときに注意しなければいけないのはボイラドラムの真空破壊です。

真空破壊とは、水を抜く最中に空気抜き弁を開け忘れると起こる大事故です。

それはエイリアンに破壊されたような見るもおぞましい光景です。

ブロー中に現場の各空気抜き弁を開けるのは当たり前のことですが、全国各地で事故の報告がたびたびありますので注意が必要です。

そして、全ブロー後の保存法を乾燥保缶と言います。

乾燥保缶はシリカゲル・活性アルミナなどの吸湿剤を容器に入れてボイラドラム内の数か所に配置・密閉します。

そこで、ボイラ設備のメンテナンスをします。

ボイラドラム水張り

ボイラドラムに水を入れる作業です。

例として、ドラム加圧0.83Mpaまで/水位430mmで頭打ちと想定し解説します。

全ブロー後の水が抜かれた空っぽのボイラドラム内に、まずボイラ給水ポンプでボイラドラム内水洗い30分実施します。

各ドレン弁閉、エア抜き弁開の確認後、脱気器給水ポンプで水張りをします(7t/h~10t/h)

続いて脱酸剤を投入します(亜硫酸ナトリウム・オキシノンH-135×40kg)

ボイラドラム満水(430mm)により、ボイラドラム各エア抜き弁よりドレン排出を確認します。

各エア抜き弁を閉にします。

エアがみがなければボイラドラム圧(0.83Mpa)を長時間キープできます。

実際現場では圧が落ちやすいです。

数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

満水保缶(短期間)

ボイラドラムへ水張りしたのち、満水の水位(430mm)とボイラドラム圧(0.83Mpa)をキープさせます。

しかし、実際はキッチリ満水の(430mm)になることはなく、エアがみなどにより(370mm)あたりで頭打ちです。

頭打ちになった水位上限とボイラドラム圧を休炉期間中維持します。

そして、水位と圧力数値が下がったらCRT手動介入でボイラドラムに給水します。

水位と圧力は水頭圧すいとうあつにより自然に落ちます。

水位と圧力が下がったら給水を何度か繰り返します。

休炉期間が終われば、炉と大型蒸気ボイラーを立ち上げます。

数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

環境プラントに危険物の免許が必要な理由

薬品の話をします。環境プラントでは様々な薬品を取り扱っています。

薬品の残量が減れば薬品を注文して、運搬業者が薬品をお届けに上がります。

薬品を受け入れるために、環境プラント運転員が受け入れ口で立ち合いをします。

そこで、不備・不手際がないように、受け入れ現場を監視しなくてはなりません。

そのために、環境プラント運転員は危険物乙種第四類の免許を必要とします。

※薬品受け入れ立ち合い時は防毒マスクを着用します

灯油

焼却炉の立ち上げ(下げ)作業で、起動バーナーと助燃バーナー使用時に消費します。

受け入れ前と受け入れ後に灯油ストレージタンクの検尺をします。何㎥増かを量ります。

灯油1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

アンモニア

窒素酸化物(NOX)という公害を抑える目的で消費します。

漏洩が懸念されるため、あらかじめアンモニア室内床面に水を撒いておきます。

なお、アンモニア毒素は水で中和されます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

消石灰

消石灰は粉状の薬品です。

塩化水素(HCL)と硫黄酸化物(SOX)という公害を抑える目的で消費します。

排ガスを中和させるために、受け入れ時に消石灰バグフィルターボタンを押します。
→30分刻みでタイマー自動停止します。

(HCLとSOXを中和し除去する目的で、バグフィルター手前の煙道に消石灰を前もって吹き込むためにボタンを押します)

もし受け入れ時の不手際で消石灰をこぼしてしまった場合は、絶対に水で洗い流してはいけません。

なぜなら、発熱の可能性があるからです。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分、もしくは先月の消費量によっては2台分です。

苛性ソーダ

苛性ソーダの正式名称は水酸化ナトリウムです。

苛性ソーダは強アルカリ性pH11くらいです。/ pH指標【pH酸性(0)~pH中性(7)~pHアルカリ性(14)】

ボイラドラム内酸化腐食防止のために、ボイラー缶水のpHをアルカリ性にします。

また、苛性ソーダはビンのラベル剥がしにも使われる薬品です。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

塩酸

ボイラー缶水の水質を良くするために、ボイラー缶水を24h連続でブローをします。
(薬液による濃縮防止のためです)

ボイラー缶水のブロー水は、苛性ソーダの影響により強アルカリ性(pH11くらい)です。

下水道法により、強アルカリ性のブロー水をそのまま下水に排出できません。

下水道法では、汚水のpHは5.8~8.6の間で排出させなければなりません。

よって、強アルカリ性(pH11)のブロー水を中和させるために、塩酸を添加してpHを5.8~8.6に調節します。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

液体キレート

環境プラントで使われるキレート剤は、重金属安定剤とも呼ばれています。

水で希釈されたキレート剤と飛灰を混錬機こんれんきで練りこみ、飛灰固化成形機ひばいこかせいけいきで固化排出します。
(ニョロニョロした形になります)

出来上がった飛灰固化は協力業者のダンプで最終処理場に運ばれます。

最終処理場で埋められる際に、鉛などの重金属が土中に溶け出さないように液体キレートを飛灰に混ぜます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

凝集剤ぎょうしゅうざい

凝集剤は第二塩化鉄や硫酸アルミニウムなどがあります。
(これらは無機凝集剤むきぎょうしゅうざいとも呼ばれます。)

凝集剤とは水の中の汚れ(小さな浮遊物)をギュッとまとめて大きくする薬品です。

汚れを大きくして取りやすくします。雪だるまのイメージです。

汚れを大きくすれば簡単にアミでもすくうことができます。

汚れの除去は水質の改善や産廃処理のコスト削減にもつながります。

環境プラントには汚水処理施設があります。

汚水処理施設には沈殿槽と呼ばれる汚水槽があります。

沈殿槽で凝集反応を利用して汚れが目に見えるように大きく形成させます。

ギュッとまとめて大きくなった汚れのかたまりをフロックと言います。
【凝集物=フロック=かたまり】

1回目の凝集は基礎フロックと呼ばれる小さな汚れのかたまりを作ります。

2回目の凝集は粗大フロックと呼ばれる大きな汚れのかたまりを作ります。
凝集助剤ぎょうしゅうじょざいを使用(下記参照)】

最終的に粗大フロックは浮遊固形物を分離・除去するスクリーン装置と呼ばれる機械で処理されます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

凝集助剤ぎょうしゅうじょざい

凝集助剤は高分子凝集剤(ポリマー)とも呼ばれます。粉末状の薬剤です。

凝集処理は大きく2つの工程で分けられます。

1回目の凝集で基礎フロックを作る工程が凝結反応です。

2回目の凝集で基礎フロックを粗大フロックに成長させる工程が凝集反応です。

この2回目の凝集で基礎フロックの吸着粗大化に使用される薬剤が凝集助剤(ポリマー)です。

2回目の凝集で粗大フロックのかたまりを作るポリマーは、粗大フロック同士をつなぐ鎖状の成分とお考えください。

薬剤の搬入は1体20㎏のセメント袋的な感じで入荷されます。

清缶剤せいかんざい

ボイラー水を軟化させます。

ボイラー水に含まれるスケールと呼ばれる不純物(硬度成分)を連続ブローにより沈殿排出します。

スケールの生成を少なくします。

ボイラーの腐食を防止します。

焼却炉立ち上げ前に清缶剤移送ポンプ2台でボイラドラムへ約数※分間くみ上げて約※㎏の基礎投入をします。(初期投入後の満水保缶を示唆します)

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

脱酸剤だつさんざい

脱酸素剤の正式名称は亜硫酸ナトリウムです。

ボイラーの酸化腐食を防ぐために、ボイラー水の溶存酸素を除去します。

焼却炉立ち上げ前に脱酸剤移送ポンプ2台でボイラドラムへ約数※分間くみ上げて約※㎏の基礎投入をします。(初期投入後の満水保缶を示唆します)

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

次亜塩素酸ソーダじあえんそさんそーだ

機器冷却塔や井水原水槽の水質管理で使用します。
(ビル管理では受水槽や高置水槽の水質管理で使用します)

レジオネラ菌などを殺菌消毒します。

補給時に薬液タンク内の原液を純水で希釈します。

希釈率は各事業所のルールで決められている数字に従います。

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

 

プラント業界で使われる専門用語を分かりやすく解説します

安全弁
安全弁とは圧の逃げ道です

安全弁は配管内の蒸気および水などの圧力を自動で逃がすための逃し弁です。

バルブの開け忘れによる人為的なミスでの事故、その事故を防ぐ目的で取り付けられた安全装置バルブです。

ボイラー構造規格で『蒸気ボイラーには安全弁を2個以上備えること』という決まりがあります。

ボイラ設備に安全弁がある理由

例えばボイラー立ち上げなどの初期工程において、どこかのバルブを開け忘れてしまった際に蒸気を通気するとどうなると思いますか?

そうです、圧が上がって爆発してしまいます。

そういった事故を防ぐために安全弁があります。

インタロック
インタロックとは安全のために停止するシーケンス制御です

インタロックとは安全装置です。

主安全制御器とも呼ばれています。

安全に即した条件が整っていないと機械が動作しないようにする制御装置です。

さまざまな業界で使用されています。

環境プラントの安全ルール

環境プラントの例で言えば、「機械を動かすときは下流から動かす。機械を止めるときは上流から止める」といったルールがあります。

これはCRTの配置画面で見た場合、焼却灰は上から下に各コンベヤで流れています。

要するに、さまざまな機械が連結して上から下へ動いています。

安全ルールを前提としてインタロックが働く

そこで、安全性から「機械を動かすときは下流から動かす。機械を止めるときは上流から止める」といったルールが決められています。

これをもし仮に、機械を上から動かそうとしてもインタロックがかかって動かせません。

なぜなら、灰を処理しなければならない下が動いていないからです。

逆に下から止めようとしてもインタロックがかかって止められません。

なぜなら、上が灰を流しながら動いているからです。

インタロックまとめ

別の例で解りやすくお伝えしますと、下流がコンベヤトリップでエラー停止すると、インタロックが作動して上流まで自動停止します。

そうなった場合、トリップした現場まで行って復旧操作をします。

ウォーターハンマー
ウォーターハンマーとは配管から発生する共鳴現象です

ボイラー設備の配管、貯湯槽の配管、(冷温水発生器)などの配管内で高速の蒸気が飛び交う現象です。

機械設備の立ち上がり時などでは、配管からカンカン音が鳴り響きます。それがウォーターハンマーです。

旧式の大型温水ボイラーを使用している病院などでは、ドレンアタック的にドーンという爆弾が落ちるような音がします。

配管内で高速の蒸気、もしくはドレンが行き交いますから、ウォーターハンマーはや配管の破損に繋がります。

もし配管からウォーターハンマーが出ている場合、事業所のマニュアルに従って対応をしてください。

大抵の対処法は、「ドレン弁を開けて対応する」というふうに書かれています。

エアがみ
エアがみとは空気が挟まって水や薬液の出が悪い状態です

例えば水道の蛇口を開けると、水がバリバリいいながら吹き出すときがあります。

あれがエアがみです。

エアが噛んでいるので、吹き出しの水の出も悪くなります。

給水ポンプ不良の原因とは

給水ポンプ吸い上げのトラブルの多くは、エアーが噛んで吸い上げないといったところです。

給水ポンプ吸い上げ不良の原因は、たくさんあります。(ここでは割愛させていただきます。)

対処法は、エア抜き弁を開けてエアーを抜きます。

薬注ポンプにもエアがみはあります

薬注ポンプのエアがみであれば、どのバルブやコックも開けずに圧をかけて、安全弁をわざと吹かすやり方で対処する方法もあります。

オーバーフロー
オーバーフローとは限界水位を超えて水があふれた状態です

受水槽・高置水槽の満水域(上上限水位)を超えて、水があふれている状態を表します。

満水により受水槽・高置水槽が破裂しないように、逃げ道のオーバーフロー管が水槽上部に設置されてあります。

オーバーフローが起こる4つの原因
  1. 給水配管の途中にあるFMバルブの不具合。→ハンマーで軽く叩いてみる。
  2. 受水槽・高置水槽に設置されている電極棒に汚れが付着している。→電極棒の清掃をする。
  3. 受水槽・高置水槽への自動給水時に起こるポンプのエラー。→盤を開けてポンプのブレーカーリセットをしてみる。
  4. 制御盤内のポンプのリモコンリレーが劣化している。→リモコンリレーの交換。
洗面台のちょっと上にある穴の役割

因みに洗面台のちょっと上にある穴ですが、あれもオーバーフローの役割をするホールです。

蛇口の閉め忘れと排水ポップの開け忘れにより床面が水浸しにならないように、どの洗面台にもあります。

クリンカ
クリンカとは溶けた不燃物が固まってできたコンクリート状の吸着物です

クリンカは局部的な高温で灰が溶融し、それに溶融ガラスや金属粒子などの不燃物が巻き込まれ大きくなったものです。

それは、焼却炉内の燃焼反応で炉壁耐火材に張り付きます。

放っておくと何メートルにもなるコンクリート状の吸着物です。

クリンカを除去するには

炉壁耐火材とクリンカは同化するようにくっついています。

ですから、クリンカを無理に剥がそうとすると耐火材のほうが割れます。

炉内点検時にクリンカを落とす場合は、ハンマーで軽く叩くか、ケレン棒で軽く突き落とします。
(ケレン棒:下記参照)

クリンカ除去における注意点

そのとき炉壁上部から氷柱つらら状に垂れたクリンカを見つけた場合ですが、ケレン棒で落とすのは、よほどの注意が必要です。

過去に、ある事業所でクリンカ除去作業中、落ちて来たクリンカが腕に刺さった事故が起こりました。

クリンカにはガラス成分が含まれていますので、もし肉体が切れたら何針も縫う大怪我になりかねません。

ですから炉内点検時に、機敏な動作と無理なクリンカ落としだけは絶対にやめてください。

炉内のクリンカ落としは専門業者にお任せです。

【出典/焼却炉技術コンサルタント《滋賀技研》計算書のプロ】

ケレン
ケレンとは清掃です

英語のクリーン(clean)が語源で、それが日本でなまってケレンとなったと言われています。

ケレンにちなんだ言葉はいくつかあります。

ケレン棒やケレン清掃などです。

ケレン棒とは

先がヘラ状になっている1m弱の鉄製の棒です。

ケレン棒を使ったケレン清掃

ケレン棒を使って主灰出しコンベヤダンパ(ゲート)に固着した灰をそぎ落とします。
(運転員の仕事です)

ケレン棒を使って休炉内の炉壁耐火材に張り付いたクリンカを突き落とします。
(専門業者の仕事です)

【出典/神谷商事株式会社HP・雑記帳「ケレン棒」】

ごみホッパブリッジ
ごみホッパブリッジとはホッパーのごみ詰まりです

クレーンでのごみ投入時に、全体で約2tものごみがホッパーに引っかかってしまう現象です。

いわゆる、ごみの橋掛けといったところです。

ごみホッパブリッジは、よくあるトラブルのひとつです。

ごみホッパブリッジの対処法1.

ごみがホッパーに橋掛かっているわけですから、給じんにごみが落ちませんので、ごみ枯れという現象が炉内で起こります。【ごみ枯れ:下記参照】

もし、ごみホッパブリッジが起こってしまったときの対処法ですが、CRT操作でホッパゲートを開閉してみてください。

ごみホッパブリッジの対処法2.

それでもダメでしたら、クレーンでごみを掴んだ状態でホッパーに詰まっているごみを突いてください。

ごみホッパブリッジの対処法3.

それでもごみが落ちなければ、人海戦術です。

みんなで長い棒を持って、中心に穴をあけるようにごみを突くのです。蟻地獄を作るイメージです。

ごみホッパブリッジの見つけ方

ブリッジの見つけ方ですが、給じん機の横にホッパーを冷やす、ごみホッパ水冷ジャケットがあります。

巡回点検時にごみホッパ水冷ジャケットの冷却水温度がいつもの温度より高ければ、ごみがブリッジしています。

至急、中央に「〇号ホッパー、ブリッジの可能性あり」と無線で連絡します。

中央でブリッジの対応をしてもらい、ごみ枯れを防ぎます。

ごみ枯れ
ごみ枯れとは焼却炉内で燃やしている燃焼物ごみが不足することです

例えば、焼却炉内で焼却灰が主灰ゲートに落ちずにステップの、ある一か所に集中してどんどんたまっていくことがあります。

そのごみがダマとなったり山となったり、または壁ができる現象も含めて、ごみ枯れと呼びます。

この場合、本当は「ごみ溜め」と呼んだ方がいいのかもしれません。

ごみ枯れは放っておくと重大事故につながります。

重大事故とは主灰出しコンベヤ内が何メートルにも及んで未燃物だらけになることです。

写真で見ただけでも愕然とします。

ごみ枯れが起こる3つの原因
  1. 運転員の炉内の未確認により手動操作を怠った撹拌不足。
  2. ホッパにごみがブリッジしている可能性。【対処法は上記、ごみホッパブリッジに記載】
  3. クレーン運転士による、ごみの入れ忘れ。
ごみ枯れの対処法1.

CRT画面で乾燥段と燃焼段の温度が極端に高く、炉内温度が極端に低いと感じたら、窓を覗いて炉内を確認します。

炉内のごみが少ないと感じたら、すぐにクレーン担当者に「ごみ枯れです」と連絡してごみの投入要求をします。

ごみが投入されたら乾燥段と燃焼段をCRTを操作して手動で撹拌します。
(乾燥段温度、通常80℃→ごみ枯れ時135℃くらいまで上がります。)

ごみ枯れの対処法2.

ごみがダマとなっていたり山となっていた場合の対処法は、ダマや山となっているところのステップを数回手動で撹拌し、ごみをならします。

続いて空気流量を調整します。

それでも燃焼状態が悪ければ、助燃バーナーを装着し確実にごみを焼き尽くします。

主灰出しコンベヤ内を未燃物だらけにしないために最善を尽くします。

シール
シールとは封水ふうすいです

一般的にははシール水というふうに呼ばれます。

排気復水ポンプのストレーナーや機器冷却塔のストレーナーなどのシール水で真空状態を保たなければいけない箇所で使われる言葉です。

例えば、「水でシールされてるから、これ以上水を絶対抜くんじゃないぞ!下手したらタービントリップするからな!」といった感じで言われます。

シールまとめ

シールとは封水して予防線を張ることです。

ごみホッパシールとは

また、ごみホッパも実はごみでシールされています。

どういうことかと言いますと、ごみ投入要求のチャイムが鳴ってから約30分~40分以上ごみをホッパに入れ忘れると、ごみホッパから火が吹くのです。
(わざとホッパにごみを入れない場合もあります【下記参照】)

また、ボイラ設備には誘引ファンというものがあり、誘引ファンが炉内のごみを引っ張っています。

そのため、ごみホッパにごみを入れ忘れると、ごみホッパがごみでシールされないため空洞になり火が吹きます。

わざとホッパにごみを入れない場合

ごみにはごみ質というものがあります。

月曜から金曜のごみは軽いとか、週末のごみは水分を含んで重いとかがあります。
(腐ったごみは重いです)

そしてごみが重いと、ごみがホッパ内でズルズルと下にずり落ちてしまいます。

よって週末の重いごみを燃やす場合は、演算で割り出された1時間の投入回数内で投入量を抑えるために、わざとホッパにごみを入れないといった状況が生まれます。
(本来はホッパから火を吹く危険性を考えて、投入回数は無視した方がいいのです)

ですからホッパが、ごみでシールされないといった現象が起こるのです。

スチームトラップ
スチームトラップとはドレン排出装置です

スチームトラップは蒸気配管内の不要なドレンを排出する装置です。

ボイラ設備の各蒸気配管に設置されています。

スチームトラップが設置されている理由

ボイラー設備の蒸気配管内は純粋な蒸気だけで通気しなければなりません。

高圧の蒸気が集まって液化したドレンを自動で排出させるのが目的です。

スチームトラップの不具合

スチームトラップは定期的に「カチッ、カチッ」という音を鳴らしながら動作します。

その「カチッ、カチッ」という音が鳴っていなければ不具合、もしくは詰まりです。

詰まりの場合は軽く叩いてみてください。

叩いてみて直らなければ新品と交換です。

タービントリップ
タービントリップとは、なかなか体験できない大事故です

タービントリップとは、発電設備のある事業所において何らかの内的要因、あるいは外的要因があって電気供給がエラー停止することです。

タービントリップを簡単に申し上げましたが、このタービントリップというのはなかなかの曲者です。

一度タービントリップしたら事業所全体にインタロックがかかり、ボイラ設備までエラー停止してしまいます。

プラントで発電所の事故を疑似体験できます。と言っても一生に一度あるかないかです。
(私は3回体験しました)

インタロックされたボイラ設備に自動復旧はありません。

まず、出て来れる人を電話で呼び出します。

みんなでスクラムを組み、手分けして再起動にとりかかります。

復旧まで1日以上かかります。

発電所における電力事故の初歩的な感じと思ってください。

初歩的といっても心臓がバクバクし、冷や汗がダラダラ流れるほどの緊張感です。

自動復旧…例えばビル冷暖房で使われる冷温水発生機は、エラー停止後に予備機自動切替(復旧)されるものがあります。】

タービントリップ1回で〇千万円が台無しに

復旧までのあいだ、病院や温水施設に蒸気を送気できません。

つまり、一度のタービントリップで全てが台無しになるのです。

損害金も膨大です。(事故保険が降ります)

タービントリップの内的要因と外的要因

タービントリップの内的要因は、運転員の知識不足による現場での操作ミスやCRTでの入力ミスです。

タービントリップの外的要因は、落雷や電力会社の事故並びに操作ミスです。

タービントリップは、ほとんどが外的要因で起こります。

導電率
導電率とは水の透明度を表します

環境プラントでは純水製造装置と呼ばれるものがあります。

そこには純水製造装置を制御する純水制御盤という盤があります。

その純水制御盤には導電率計というものがあります。

導電率計とは水の純度を計測する測定器です。

水の純度と通電の関係

水の純度を計測するとはどういうことか。

例えば、映画によくあるシーンで、用水路に追い詰められた人が機転を利かして電線コードを引きちぎり、水の中に電線コードを浸すとビリビリビリビリ~って、追っ手を感電死させるアレです。

アレは用水路の水が汚れているから電気が通るのです。

純水製造装置ではなぜ、導電率計が設置されているのか

ボイラー缶水は純度の高い水を使用します。

そこで純度の高さを計測するために、導電率計で水の導電率を測ります。

そのときに導電率が高い(100%に近い)ほど、水が電気を通すので水が汚れているということになります。

反対に導電率が低い(0%に近い)ほど、水が電気を通さないので水がきれいだということになります。

さっきの映画の話に戻すと、きれいな水ならば、電線コードを水に浸しても感電死しません。

水が汚いから電気を通すので感電死するのです。

トラフ
一般的なトラフの認識とは『海溝』と『U字型』の収納倉です

一般的にトラフは南海トラフなどの海底にある深い溝を指します。

他には、船底にあたる船倉の部分や、ケーブルの埋設工事で使われるコンクリートの長いケースもコンクリートトラフと呼ばれます。

要するに、U字型で何かを収められるものがトラフにあたるわけです。

環境プラントのトラフとは水槽です

例えば環境プラントでは汚水処理施設に、汚水を浄化させるための沈殿槽と呼ばれるものがあります。

そこで「沈殿槽のトラフが云々かんぬん」と言う場合があります。

つまり環境プラントのトラフは水槽の槽という認識でとらえてください。

ドレン
ドレンとは不要な液体です

ドレンをプラント専門用語として説明するならば、ドレンとは元々蒸気配管内の蒸気です。

その蒸気が集まって液化したものがドレンです。

ドレンは不要な液体として捨てられます。

蒸気配管内のドレンは配管内の不純物です

ボイラー設備の蒸気配管内は純粋な蒸気だけで通気しなければなりません。

配管内のドレンは蒸気通気の圧力不足を起こす不純物です。

しかし、どうしても蒸気は、配管内では液化してしまいます。

液化した元蒸気は不純物のドレンとしてスチームトラップで排出されます。

ドレンまとめ

一般的には、どの業界でも要らなくなった液体をドレンと言います。

パージ
パージとは換気です

パージは換気または排気です。

火気を含むガスをパージして排出させます。

パージにはプレパージとポストパージがあります。

プレパージとは

プレパージは予めバーナー点火開始前にボイラー炉内のガスを通風ファンで換気することです。

ポストパージとは

ポストパージは燃焼停止後のボイラー炉内のガスを通風ファンで換気することです。

パージまとめ

プレパージはボイラー起動前における最初に行う換気です。

ポストパージはボイラー停止後における最後に行う換気です。

ばいじん計
ばいじん計とはダスト濃度計です

大気汚染防止法により国が設定した、ばいじん排出基準が決められています。

そこで、大気汚染防止法の規制項目の中から該当する基準値に当てはめて、ばいじん濃度の自主規制基準値を決めなければいけません。

どのプラントでも、ばいじん濃度の自主規制基準値が決められており、だいたいのプラントでは0.02g/m3Nまで自主規制しています。

厄介な、ばいじん漏洩の話

CRTトップ画面に、ばいじん濃度が出る計測表示が小さく出ています。

この値は平常時ではずっと0.0g/m3Nを示していますが、少しでも数値が出ると厄介です。

もし数値が出た場合、ばいじんが出る原因の一つとして考えられるのが炉壁のピンホール(穴)です。

次回のオーバーホール時にピンホールを見つけて溶接をしなければなりません。

ただし、あくまでも自主規制ですので厳しく見張る必要はありません。

0.1g/m3Nぐらいまででしたら暗黙の了解的事項で様子見してもらっても大丈夫です。

なぜなら、計測器の不具合などによる他の原因も考えられるからです。

また、精密なピンホール調査をするためには次回のオーバーホールまで待たなくてはならないからです。

誰もが知っておくべき、ばいじん計の場所

ある協力業者が副班長にばいじん計の場所を聞いたところ、「知りません」という返事をされたなんてエピソードがあります。

後になって、その協力業者は「副班長がばいじん計の場所を知らないなんてダメだ‥」と漏らしていました。

ばいじん計の場所は意外と誰も知りません。

ところが、ばいじん計が出す数値はプラントの運営を左右します。

是非とも、ばいじん計の場所を知って覚えておいてください。

どの事業所でも、ばいじん計は目につかない場所にあります。

誰もが、ばいじんに着目しない理由

ばいじん測定値はCRTトップ画面にも表示されているので、いつでも見れるという理由から、巡回点検項目から外されていました。

ですから誰もが、あまり、ばいじんを意識せずにいたのかもしれません。

ハンチング
ハンチングとはグラフが小刻みに震える現象です

CRT画面上で各ボイラ設備の状態グラフが小刻みに震える現象です。

CRT画面にボイラ設備の不具合を状態グラフが小刻みに震えて教えてくれます。

ハンチング現象で表示される不具合は警報が上がらないので、自分でトレンドチェックをしてハンチングを発見しなければなりません。

ハンチングを見つけて不具合の対処をする

例えば、熱電対ねつでんついなどの信号を拾う端子に緩みがあった場合や熱電対本体の劣化などで、CRT画面のグラフがハンチングします。

その画面のハンチング状態が見つけられることによって、はじめて現場で不具合の処置ができます。

熱電対ねつでんつい…炉内温度を検出する1m弱の金属製の棒(消耗品)】

ハンチングはボイラー業界用語

このハンチングという言葉はボイラー業界でしか聞いたことがないので、おそらくはボイラー業界用語です。

因みにボイラーのテキストにもこの言葉を見かけます。

ハンチングまとめ

ハンチングは"ボイラ設備の不具合がCRT画面のグラフに震えて表れる現象"という認識でとらえてください。

フランジ
フランジとは、まるい鉄板です

ここではフランジを円形の平板(厚さ1.5cmの鉄板)として解説します。

フランジは2種類あります
  1. 主に使用されるのが、真ん中に配管を通す穴の開いたフランジです
  2. 次に使用されるのが、めくらフランジと呼ばれる穴の開いていないまっさらなフランジです。
フランジの役割
  1. 穴の開いたフランジは配管同士をつなぎ合わせたり、配管とボイラ設備をつなぎ合わせたりする役割もします。
    フランジの四隅にはボルトを通す穴が開いていて、ボルトナットで様々なモノと組み合わせることができます。
  2. めくらフランジは蓋の役割をします。
フランジの不具合

フランジの結合部位にはパッキンを挟みます。

パッキンが劣化すると水が漏れます。

水が漏れたらパッキンを交換します。

ブロー
ブローとは「排出する」という意味です

例えば、「ブロー弁を開けてブロー水を出して」というふうに使われます。

ですから「ブローして」と言われたらブロー弁を開けてください。

因みに英語のスラングで、おならもブローと言います。

ボイラ全ブローとは

ボイラドラム内のボイラ缶水を全ブローで全部抜く作業です。

ボイラ連続ブローとは

ボイラ缶水の濃縮防止を目的としたブローです。

ブローすることにより、ボイラ缶水内の薬液量がちょうどよく薄まります。

経験値で決められたブロー量を、24hボイラドラム連ブロー弁よりブロー水を排出します。

CRTボイラ連続ブロー量設定値
一日の焼却量
設定値
一時間の連続ブロー量設定値
160t/d0.28t/h
150t/d0.26t/h
140t/d0.24t/h
130t/d0.22t/h
120t/d0.20t/h
110t/d0.19t/h

【※数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

ペーハー(pH)
呼び方で世代が分かるpH

pHも今では教え方が変わりました。

昭和生まれはペーハーと呼びますが、平成生まれはピーエイチと呼びます。

因みにペーハーはドイツ語読みで、ピーエイチは英語読みです。

私はペーハーと呼びますので、ここではペーハーとして呼ばせていただきます。

ペーハーとは

【酸性(0)―中性(7)―アルカリ性(14)】を示す指標です。

「3に向かっていく方が酸」というふうに覚えると、覚えやすいです。

ラッキング
ラッキングとは配管に被せるカバーです

受水槽やポンプ廻りの配管に被せます。

素材はステンレス製のものから、ウレタンフォーム・グラスウール製のものまであります。

ラッキングの役割は、断熱・耐熱・配管の保護です。

別名、保温材とも呼ばれています。

ご安全に

プラント業界でしか使われていない言葉と聞きました。

 

煩雑だけどやりがいがある『環境プラントの仕事』

IDFの模擬運転
IDFとは誘引ファンです

炉内の排ガスを引っ張って煙突に導きます。

また、ファンで排ガスを引くことにより炉内を負圧にしたり、燃焼物をコンベヤまで流れるように引っ張ったりもします。

まさに、一石三鳥です。

IDFの模擬運転とは

例えば、休炉中の炉内点検で乾燥段・燃焼段・後燃段と呼ばれるストーカーをテストで動かすときに行います。

そのときに、なぜIDFの模擬運転をするのかといいますと、まず「休炉中の設備は動かせない」と思ってください。

そこで休炉中の乾燥段・燃焼段・後燃段と呼ばれる灰出し系統をテストで動かしたいときは、IDFをCRTで模擬入力します。

IDFという炉の心臓部が動いていることにより、炉全体に「ただいま稼働中」の信号が模擬で送られます。

そうすることにより休炉中でも灰出し系統がテストで動かせるのです。

※実際にIDFは動いていません。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』

因みに、休炉中の『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』といった作業があります。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』はオーバーホール後に実施する、大がかりな各灰出し系統のテスト運転です。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』も同様にIDFをCRTで模擬入力します。

入力後IDFが模擬運転をします。そこで各灰出装置のテスト運転をします。

CDF(cooling draft fan)
CDFとは排ガス冷却送風機です

排ガスを冷却して炉内温度を調整します。

一次空気とも呼ばれ、炉内上流から冷たい空気を送り込みます。

現場操作はしません。基本操作は中央CRT遠方操作です。

カスケードモードからオートもしくはマニュアルモードに変更して任意の数字を打ち込み炉温を調整することができます。

特に模擬運転などの操作はありません。IDFの流れで補足的に付け加えさせていただきました。

FDF(forced draft fan)
FDFとは押し込み送風機です

ごみの燃焼に必要な空気を送り込むファンです。

二次空気とも呼ばれ、炉内下流から熱い空気を送り込みます。

現場操作はしません。基本操作は中央CRT遠方操作です。

カスケードモードからオートもしくはマニュアルモードに変更して任意の数字を打ち込み炉温を調整することができます。

特に模擬運転などの操作はありません。IDFの流れで補足的に付け加えさせていただきました。

井水原水槽電極棒清掃
電極棒とは水位を検知する制御棒です

【上上限水位―上限水位(満水)―常用水位―低水位―極低水位】の水位レベルを感知してポンプを制御する水位検知棒です。

ボイラ設備の受水槽・高置水槽にはNO.1、NO.2の各水槽に2束ずつ電極棒が設置されています。

減水満水用電極棒と運転制御用電極棒がワンセットでNO.1とNO.2の各水槽に設置されています。

硬度の高い井戸水を使用する井水原水槽は、電極棒にスケール(異物)が付着しやすいので月次で清掃します。

電極棒の清掃

例えば、NO.1原水槽の電極棒を清掃するとき、まず電極切替版スイッチをNO.1→NO.2に切り替えます。

続いて、NO.1減水満水用電極棒のコンセント(1本)を外します。

次に外したコンセントにジャンパー線を取り付けて警報を解除します。

続いて、NO.1運転制御用電極棒のコンセント(2本)を外します。

ここでNO.1減水満水電極棒と運転制御用電極棒を水槽から引き上げて紙やすりとウエスで拭き清掃をします。
 

電極棒まとめ

電極棒は満水及び減水を検知してポンプに信号を送る制御棒です。

浄水系の各水槽において電極棒の設置が義務付けられています。

因みに、汚水・雑排水槽においては電極棒を設置してはいけません。

なぜなら、電極棒に汚物が絡みつくからです。

汚水・雑排水槽においてはフロートスイッチの設置が義務付けられています。

消石灰ホースハンマリング
ハンマリングとはハンマーで叩くことです

低層階にある消石灰ブロワ室から上層階にある排ガス処理設備の吹き込み口まで、ゴム製のフレキシブルホースが伸びています。

そのフレキシブルホース内には粉末状の消石灰が流れています。

消石灰の粉は湿気ですぐに固着します。

消石灰の固着を防ぐために木製ハンマーで、フレキシブルホースを叩きます。

消石灰ホースハンマリングの手順

ブロワ室制御盤、〇号炉電流値・吐出圧を無線で中央に報告します。

その際に〇号炉消石灰供給ブロワと※切り出し装置をCRTで停止してもらいます。同時に撹拌機も連動停止します。

ペール缶・スクレーパー・ワイヤブラシ・ウエス・ラジェット・木製ハンマーを準備して上層階へ。

ホースを外して排ガス処理設備、消石灰吹き込み口の清掃をします。

清掃後、ホースを取り付けたら無線で中央に清掃終了を報告します。

その際に〇号炉供給ブロワだけをCRTで運転してもらい、ホース内を空吹きします。

〇号炉消石灰ホースのハンマリングを開始します。

無線で中央にハンマリング終了を報告します。

その際に〇号炉切り出し装置をCRTで運転してもらい、ホース内に消石灰を通します。

上層階吹き込み口より漏れがないことを確認します。

最後に制御盤〇号炉消石灰供給ブロワの電流値・吐出圧を無線で中央に報告します。
 

※切り出し装置停止時の注意点:ハンマリング作業終了後に切り出し装置を復旧運転する際は、必ず撹拌機も連動運転されているかを確認してください。

スキャンオフ
スキャンオフとは機器からの信号を断絶させる操作です

スキャンオフはCRTで操作設定します。

例えば、熱電対などの信号を中央に送信する部品が消耗したとします。

その消耗した熱電対を、新品の熱電対と交換するときに、信号を読み取れなくする設定がスキャンオフです。

いわゆる通信禁止操作です。

スキャンオフをする理由

スキャンオフをして過剰な信号による通信機器の障害を防ぎます。

CRTポイント画面のグラフに波形が表示されないようにします。

ストレーナー清掃
ストレーナーとは水の汚れを取る筒状のアミです

ストレーナーは水を手軽にろ過するための、アミが張られたステンレス製の筒です。

機器・装置の動作不良や目詰まりの防止をする役割をします。

ボイラ設備にはポンプがたくさんあります。

月次で各ポンプのストレーナー清掃をします。

ストレーナー清掃の手順

ポンプ制御盤のセレクトスイッチを遠方から手元にします。

ポンプを停止させます。

制御盤を開けてブレーカーを落とします。

吐出弁と吸込弁を閉にします。(ミニマムフロー弁があれば閉にします)

ドレン弁を開けてドレン抜きをします。

工具を使って保温カバーとフランジ(蓋)を外します。

ストレーナーを取り出してワイヤブラシで水洗いします。
 
脱水機運転
脱水機運転とは泥に含まれる水分を抜く作業です(週例作業)

プラントの汚水処理設備には汚泥貯留槽があります。

微生物によって分解処理された汚泥を汚泥供給ポンプでくみ上げ脱水処理します。

脱水機にかけられた汚泥は含水率70%以下まで脱水します。

脱水された汚泥は汚泥貯留ホッパへ、分離液は希釈放流槽へ移送されます。

脱水汚泥は協力業者のトラックでごみピットに落とされ、助燃材(ごみ)として有効利用されます。

脱水機運転の手順

中央CRTで汚水処理施設の画面を見て『脱水可能水位』『ゲートシュート閉』が点灯されていることを確認します。

脱水機室に向かいます。

脱水機室ケーキコンベヤの慣らし運転をします。(アイドリング10分間)

ケーキコンベヤの慣らし運転をしている間に、汚泥供給ポンプの汚泥供給入口弁・吐出弁が開いているのを確認します。

汚泥供給ポンプ制御盤セレクトスイッチの自動・遠方を確認します。

マンホールを開けて汚泥貯留槽の水位を"垂直タラップ何段"で確認します。

ケーキコンベヤの慣らし運転を停止します。

脱水機室制御盤『No.1脱水機[運転完了][待機中]』の点灯確認をしたら、No.1脱水機[連動運転ON]を押して運転を開始します。

数時間後に中央CRT画面『脱水可能水位』が消灯して、画面より脱水機運転終了がアナウンスされます。

現場に向かい、汚泥供給ポンプと脱水機の配管洗浄します。

ケーキコンベヤに散乱している汚泥をすくい取り洗浄します。

脱水機のケーシングを開けて洗浄します。

各制御盤セレクトスイッチの自動・遠方を確認します。

作業終了です。
 
フラッシング
フラッシングとは配管洗浄です

フラッシングはフラッシングブローとも呼ばれます。

例えば、減温水ラインなどの灰が固着する送水ラインや使っていない給水系のバイパスラインに水を通して洗浄する作業です。

要するに、配管内の水を強めに流して詰まりを除去し、配管内にある不純物の固着を防ぐ配管洗浄です。

現場でバルブ操作をするだけではなく、中央との連携でCRT操作による流量入力も行います。

停止炉中:減温水ラインフラッシングブローの手順

減温塔には金属製のフレキシブルホースを使用した水のラインと空気のラインがあります。

水のラインのフレキシブルホースにペール缶を設置します。

各送水ラインのバルブ開を確認してから〇号炉減温水ポンプを運転します。

中央に無線で「〇号炉減温水遮断弁開」及び「〇号炉集じん機入口温調水流量1.0㎥を入力」を指示します。

水が勢いよくフレキシブルホースからペール缶に吐き出されます。

水がペール缶からあふれ出ないうちに、流調弁・その他のラインからの漏れがないかを確認します。

〇号炉減温水ポンプを停止します。

中央に無線で「〇号炉減温水遮断弁閉」及び「〇号炉集じん機入口温調水流量1.0㎥の解除」を指示します。(立ち上げ前であれば減温塔に温調ノズルを装着します。)
 

数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

ボイラ極低試験
ボイラ極低試験とは模擬の漏水事故を想定した警報試験です

もし何らかの不具合で、ボイラドラム内の水が抜けたら低水位警報が発報します。

そのときに、ちゃんとCRTから警報が発報されるか否かをテストするのがボイラ極低試験です。

模擬による漏水事故の警報テストを実施します。

ボイラ極低試験の手順

ボイラドラム水底ブロー弁をCRT操作で開にします。

ボイラドラム水底ブロー後弁を現場操作で20%開けます。

少しずつドラム水位を減らしながら、現場と中央で様子を見ます。

ドラム水位-150mmで水位低の警報が発報されるかを確認します。

ドラム水位-300mmで極低の警報が発報されるかを確認します。
(現場の人にも無線で報告します)

ドラム水位-300mmで極低の警報が発報されたら、ボイラ給水ポンプを運転します。

CRT操作でボイラ給水流量をオート制御で10t(ゆっくり7tでも可)を入力し、水位0mmまで水張りします。
 

※注意:作業終了後、ボイラ起動弁が自然に22%くらい開くので0%に戻します。
数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

ボイラスートブロー
ボイラスートブローは高圧蒸気によるすす吹き清掃です

ボイラスートブローは"すす吹き"と呼ばれるものです。

各種熱交換器の伝熱面に付着したすすやダストを、すす吹き管に高圧蒸気を吹き込んで除去します。

脱硝スートブローも高圧蒸気による吹き清掃です

ボイラスートブローとは別に脱硝スートブローというのもあります。

内容はボイラスートブローと一緒です。

ボイラスートブローと脱硝スートブローは危険回避のために夜行います。

ボイラスートブローと脱硝スートブローは日常の定例作業

CRTのタッチパネルで運転します。タッチ一つで簡単に操作できます。

ボイラスートブローの一工程だけで、だいたい2時間くらいです。

環境プラントのボイラスートブローは全自動ですが、病院ボイラーのボイラスートブローは手動操作のところもあります。

※注意:ボイラスートブローと脱硝スートブローは絶対に同時に行ってはいけません。タービントリップします。

低圧給水での水張り作業
低圧給水はポンプを使わない水張り作業です

大規模な事業所ではボイラ設備に低圧給水配管があります。(地下1階あたり)

低圧給水配管は自然循環力が強いのでポンプを使わなくてもバルブを開けるだけで通水されます。

熱電対(ねつでんつい)の交換作業
熱電対ねつでんついとは炉内温度検知管です

熱電対は約1m弱の金属製の棒です。耐熱温度が1250℃です。

その棒が炉壁外側から炉壁内側に向かって刺すように設置されています。

熱電対の設置本数は炉の規模にもよりますが、1炉に約6本ほど設置されています。

西林電機製作所の熱電対

熱電対は消耗品です

熱電対の寿命は、炉内温度に左右されます。

安定した炉内温度で長期間運転できた場合は、3年は持つであろうと言われています。

しかし、炉内の燃焼状態が悪く、高温の状態が長期間続くと1年で劣化します。

熱電対は劣化したら交換です

交換の目安は、CRT画面の熱電対グラフに現れます。
(もしくは炉内温度で異常な数字で現れます。)

それはCRT画面のグラフできれいな波が打たなくなります。

そして、最後はハンチング現象が起こります。

熱電対の交換作業

交換作業は現場と中央との無線でやり取りをしながら行われます。

まずCRTで炉内圧を-0.07mpaから-0.1mpaまで引いて、より負圧にします。

より負圧にする理由は交換作業中、炉内でスプレー缶などが爆発したときに、一時的に開いたフランジ(差し込み穴がある円形状の鉄板)口からの爆風を受けないためです。

また、交換作業中は現場からの熱電対の信号を読み取れないようにするため、CRTでスキャンオフ(通信禁止)にします。
スキャンオフにする理由は通信障害を防ぐためです。

交換後はCRTで炉内圧を-0.1mpaから-0.07mpaに戻します。

CRTでスキャンオンにして動作確認後、作業終了です。
 

👓まめ知識:病院の感染症病棟の室内も負圧です。これは病原菌を室外に出さないためです。】

満水保缶
なぜ満水保缶にするのか?ボイラドラムを満水保缶にする2つの理由

満水保缶は上でも紹介しましたが、満水保缶にする別の理由があるためここでも解説します。

まず一つ目はボイラドラムの酸化腐食防止です。これは上で解説しました。

次の二つ目は昇圧による水位半減です。これはまだ解説していません。

昇圧による水位半減とは

休炉中にボイラドラム内をきれいにした後、給水してドラム内を満水にします。

そして、満水後に薬品を基礎投入してから焼却炉とボイラーを立ち上げます。

そのときに、なぜドラム内の水位を満水にするのかと言いますと、

立ち上げ後はボイラ設備が昇圧され、ドラム内の水は気化により半分に減るのです。

その半分に減ったところの水位(0mm前後)が常用水位です。

満水保缶とは計算された作業工程でもあるのです。

【※ボイラ休止中はやむを得ない事情がない限り、ドラム内は満水保缶です。(酸化による腐食防止のためです)】

メンテナンス登録
メンテナンス登録は通信禁止と呼ぶと解りやすいです

メンテナンス登録はCRTで設定します。

点検修理のため停止中の機械設備に信号が通じないようにする操作です。

いわゆる通信禁止です。信号をオフにします。

点検修理中に機械が動かないように、事故防止のためにCRTでメンテナンス登録をします。

スキャンオフの通信禁止とは性質が違います

メンテナンス登録はスキャンオフと違いCRT画面の波形グラフに反映されません。

※CRTのメーカーによってはメンテナンス登録(通信禁止)は保守登録とも呼ばれています

【※通信禁止の呼ばれ方:東芝…メンテナンス登録 ジョンソンコントロールズ…メンテナンス登録 アズビル(山武)…保守登録】

 

あなたは本当に環境プラントで働く覚悟がありますか?

あなたが今、引き返せるように包み隠さず教えています

ここまでお読みになっていかがでしたか?

環境プラントの仕事を全力で解説しました。

すべてを出し尽くした感じがあります。

しかし、ここで勘違いをしないでください。

環境プラントの仕事は、まだまだこんなものじゃありません。

このページでの解説は、ほんの序の口なのです。

本当は、まだまだ山のように、いや、山脈のように煩雑な仕事があるのです。

あなたに、それらの煩雑な仕事と向き合う勇気がありますか?

あなたがもし40を過ぎているのでしたら、悪いことは言いません。

若い人に道を譲ってあげてください。

そうです、はっきりと申し上げます、中高年者は辞退してください。

「知らなかった‥」じゃ遅いのです

あなたが後悔しないように、もっと正直に申し上げます。

環境プラントの仕事は煩雑と言うよりも、複雑怪奇と言った方がよいでしょう。

複雑怪奇な仕事が山ほどあるプラント業界です。

年配者が未経験で入社すると、目も当てられないほど悲惨です。

入社してくる人のほとんど全員が、異業種からの転職者です。

入社1年目はまず、先輩たちが何を言っているのか解りません。

また、仕事は一応、建前で教えてはくれますが、説明が上手な人はまずいません。

これは、どの業界においても言えます。

私の個人的な話ですが、今までの仕事人生において説明が上手だった人はたったの3人です。

他の人は何を言っているのかさっぱり解りませんでした。

それが環境プラントでは顕著に現れます。

そうです、職人気質というふうにそれは現れます。

「ま、俺の背中を見て覚えろや」というやつです。

結果、新人は皆、仕事を理解するのに苦しみます。

それが中高年者であれば、なおさらです。

新人が成長しない2つの理由

1:説明ができない先輩たち

職場の新人は赤ちゃんレベルで何も知らない

環境プラントという現場仕事では、弁が立つ人はなかなかいません。

先輩が何かを言うときは、怒鳴るか口下手かで極端に分かれます。

理路整然とした言葉で、丁寧に仕事を教えられる人がいません。

理系の仕事なのに土建屋気質です。

また、環境プラントの先輩たちは“職人は説明をしない”という概念が少なからず刷り込まれています。

それに付け加えて、“そもそも仕事を理解していないから説明ができない”といった先輩たちもいます。

そんな理由から、環境プラントの先輩たちは、仕事ではだんまりを決めています。
(雑談・バカ話・悪口は皆好きです)

しかし、それでは新人が育ちません。

以心伝心で物事が伝わったら誰も苦労しません。伝わったらエスパーです。

それは、環境プラントという現場仕事の職場に限らず、どの業界の先輩も分かっていません。

もっと踏み込んで言うならば、『新人の頭の中は真っ白』というのが分かってないのです。

そういった理由から、新人は先輩に何を質問したらいいのかも分からないのです。

ですから、先輩からの説明を受けられなかった新人はいつも頭の中がはっきりせず、ぼやけています。

説明を受けられなかった新人は、日常のささいな職務でその副作用が現れます。

例えば、『朝礼や夕礼で引継ぎ対応をしない』『周知事項を周知しない』『マナーを守らない』などです。

そして、我々が義務教育ではないのを理由に、先輩たちは今目の前で起きている“教えないという”問題を改善しようとしません。

あまりにも低次元なので、それらは知っていて当たり前というふうに、問題として見向きもせず放っておかれているのが現状です。

しかし、職場ではそれらを知っていて当たり前なことと切り捨ててはいけません。

なぜなら、最低限のルールやマナーなどは、ちゃんと教えなければ後々まで受け継がれません。

買い物客も赤ちゃんレベルで何も知らない

話が横道に逸れますが、マーケティングでは『見込み客の頭の中は真っ白』といった教えがあります。
例えば、電気店にタブレットを買いに来たお客さんが何人かいたとします。
ところが、タブレットを買いに来たにもかかわらず、どのお客さんも、驚くほどタブレットについて何も知りません。
実は、お客さんの中でタブレットについて勉強してくる人はほんの一握りです。
ですから、電気店の販売員はお客さんに「タブレットはタッチで操作ができるパソコンなんです」
と、イチから解りやすく説明する必要があるわけです。

先輩が新人に仕事の説明をしないのは職務怠慢です

いまの話は職場の新人教育に置き換えても言えます。

ですから、どの職場の先輩も、新人に解りやすく何でも説明する義務があるのです。

それも、相手が迷惑がろうが一方的で構いません。

職場において遠慮や気遣いは壁になるだけです。

新人がルール・マナーもしくは仕事を知っていようが知っていまいが、先輩が新人に一方的に教えてしまえばいいのです。

別に感謝されなくても構いません。

例えば、先輩のあなたが新人に仕事を教えて、新人が仕事を覚えないという場合があります。

その場合、人は1回言われただけじゃ覚えません。

3回くらい言われてようやく記憶が定着します。

そういった定義から、先輩のあなたは何度も理路整然とした説明で、新人に教えてあげる義務があります。

2:悪ふざけな高齢者を雇用してしまう

向上心を持って仕事に取り組むステップアップ転職組

転職者は皆、様々な事情を抱えて転職活動をします。

その中には過去の職場で苦い思いをされたり、やむを得ない事情があったりと、理由はさまざまです。

転職者の中にはごくまれにですが、環境プラント経験が豊富な40代の転職者がいます。

その人たちはステップアップ転職組です。

「新しくできたプラントで過去の経験を活かしたい」
「前からタービン発電機を扱いたかった」

などの向上心のある目的意識があります。

そういった理由から、ステップアップ転職組は即戦力扱いで班長候補として採用されます。

40を過ぎてから未経験で環境プラントの仕事に就いた人の末路

ところが、40代以上で未経験の転職者ともなると、環境プラントで人生を好転させるのは不可能です。

なぜなら、環境プラントで一人前になるには7年~8年はかかります。

キャリア7~8年でも「ようやくコイツはある程度のレベルになったかな」という感じです。

大型蒸気水管ボイラーを扱う(1級)ボイラー技士は長年のキャリアがものをいいます。

ですから、ボイラー業務はできるだけ若いうちから始めたほうがいいのです。

実際に40代からボイラー業務を始めた人で、一人前になれた人を私は見たことがありません。

なぜそのような人がいないのか?

理由は40代以上の未経験転職者のほとんどが、逃げの転職をされてる人たちだからです。

それは、その人たちのやる気のない顔つきと怠惰な言動ですぐに分かります。

責任を持って仕事をしない雰囲気が全身からも出ています。

そういう人たちを雇う方も雇う方です。

しかし、新人募集で若者の応募がなければ、人柄も見ないで雇ってしまうのが現状です。

もし、そういう人たちが雇われてしまうと職場はどうなるのか?

悪ふざけや、すっとぼけが横行する高齢者サロンになります。

老害をまき散らす、逃げの中高年転職組

私は、今まで班長以下の50・60代運転員が高度な仕事をしているところを見たことがありません。(40歳以降未経験入社組の人です)

  • 彼らは高齢で仕事が覚えられないのを免罪符にします。
  • 彼らは仕事を理解していないので警報が発報されても、自ら立ち上がって現場で対応しません。
  • 彼らは仕事を理解したくないので難しい作業がある日は、いつも右往左往して逃げ回ります。

ところが、簡単な仕事やどうでもいいことに対しては、口うるさく神経質にこだわります。

  • 機器の汚れ落とし
  • 監視カメラの向き
  • メモ用紙に罫線を引く
  • ごみを捨てに行く

などです。

「適当じゃだめなんだよ~」とか言いながら雑用を真面目にやります。

不良社員が生き残るための3ステップ
  1. 雑用を真面目にこなしながら誠実さを装う。
  2. 次に、次元の低い環境を意図的に構築する。
  3. 最後は勝手なルールを決めて人を縛り付ける。

みじめな三段落ちですが、彼らが生き残るためには仕方のない手段なのかもしれません。

これが環境プラントの現実です

雑用以外の他に、彼らができる仕事は簡単な定例作業(軽作業)です。

高度な仕事に限っては、他の班員たちが彼らの分まで働かなくてななりません。

ですから、他の班員たちはいつも疲労困憊していました。

挙句の果てには労働組合まで結成した性質たちの悪い高齢者まで現れました。

彼は自分たちの都合がいいように、人の揚げ足を取り、会社と現場をコントロールしました。

私がその渦中にいたころは、さまざまな事故やトラブルも相まって現場は苦しい状況でした。

そんな混乱の中、現場は窮地に立たされました。

ところが、誰も悪ふざけな高齢者たちをとがめようとしませんでした。

心なしか、皆が一緒になって、ふざけているフシさえありました。

結果、力及ばず、2011年3月、長く苦しい時代は終焉しゅうえんを迎えました。

情けなく、恥ずかしい話ですが、我々はそんな現実を作ったのです。

職場が誰かの手によって潰されてはいけない

35歳以下の人たちが、長期的に活躍できる職場を目指すには

環境プラントの未来を創るために、高卒の新入社員を雇用する

さきほどから私は、“若者至上主義的な価値観”を提唱しているかのように見えます。

ですが、実は、各班の班長にはベテランに指揮を執ってもらいたいと思っています。

なぜなら、経験豊富なベテラン上司は何でも知っているし、行動力もあるからです。

また、そういう人がいると心強いので、部下たちも安心して仕事ができます。

要は、ちゃんとした指導者の元、すそ野が広がった組織図ができていればいいのです。

そこで、ベテランを他社からヘッドハンティングするのは、現実的ではありません。

指導者の育成は後ほど考えるとして、まずはピラミッドのすそ野をどう広げるかです。

それは、高卒の新入社員を青田買いするのでしたら、努力次第でできると思います。

彼らを採用し、長い時間かけて成長させるのです。

そこで、反対に、できない理由を並べるのは簡単です。

「人手不足だからとか、少子化で若者がいない」などです。

しかしながら、そんなネガティブ論はどうでもいいのです。

人を育てなければ環境プラントの未来はないのです。

もはや否定的な屁理屈を言ってる場合ではありません。

職場を高齢者のサロンにしてはいけないからこそ、お伝えしています。

従業員のストレスは、会社にいくら損失を与えているのでしょうか?

環境プラントの未来を創るために、教育のできる指導者を育てる

環境プラントの仕事は緻密、且つ神経戦です。

若いうちから身に付けておかなければ、成長が期待できない仕事です。

教育をしないで怒鳴り散らすだけの上司、老害をまき散らす高齢者‥。

最近まで、そういったアクの強い戦後直近生まれの世代が、職場で迷惑をかけてきました。

これまでの環境プラントでは、若者が良い指導者に恵まれずに育っていないのが現実です。

しかし、年月が流れた今、アクの強い戦後直近生まれの世代が離職しました。

それに伴い人手不足ですから、35歳以下の若者にとっては今がチャンスです。
(2019年度更新情報)

よって、これから職場環境は少しずつ良くなっていくことでしょう。

そこで、若い人は、このチャンスを活かさない手はありません。

ですから、現在、大学で化学を専攻されている方、もしくは卒業された方は、環境プラント運転員を目指してはいかがでしょうか。

きっと、ご活躍できると思います。

そして、将来は解りやすい説明ができる指導者になっていただければ幸いです。

また、大卒や高卒のフリーターもしくはニートの方も、人生の再起をかけて環境プラントの求人募集に応募してみてはいかがでしょうか。

安定した未来は保証できませんが、何年か勤めたらビル設備管理員になるための将来設計ぐらいはできます。

そこでの大きな成功は期待できませんが、資格を活かしながら地に足を付けて生きていけます。

高卒の私でさえ、この場を借りてあなたにご指導をさせていただいてるくらいですから、あなたにもできます。

あなたが良き職場に巡り逢えますように。

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