Building management & Energy management

ごみ焼却場の仕事



🏭高齢者に清掃工場が合わない理由

あなたが、清掃工場で働く前に知っておくべき業界事情をお伝えします。

ビル設備管理業界は高齢者が多い業界です。

それは、保守管理という業務形態に、まったりとしたイメージが定着しているせいです。

よって、高齢者が第二の人生で、活躍できる場を求めて再就職を決めに来ます。

清掃工場も新聞で折り込み求人を出せば、高齢者からの応募だけで面接が埋まるほどです。

しかしながら、清掃工場は、まったりとしたビル設備管理のような保守管理と違います。

なぜなら、清掃工場の仕事は予想に反して重労働です。

重労働とは大きく分けて『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』といった仕事です。

また、『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』以外にも煩雑な仕事があります。

それらは長い年月をかけなければ得られない成熟したスキルが求められます。

キャリア形成のためスキルアップ分逆算して若さも求められます。

もしあなたが年を重ね過ぎているのであれば、今から修行をする根性がありますか?

清掃工場の仕事はとても腰掛で来た高齢者じゃ請け負いきれません。

申し上げにくいのですが、通常のお仕事は4~5年修行をすれば、あとは惰性でしのげます。

しかし、清掃工場の仕事は一生修行です。

なぜなら、あまりにも難しいのです。

現場経験が豊富な指導員クラスの高齢者が中途採用されるのでしたら話は分かります。

しかし、未経験の高齢者が残りの仕事人生をまったりと過ごすために来られては困ります。

それは、一生懸命仕事を覚えようとしている若者にとっても迷惑な話だからです。

 

若者の力が必要です

35歳以下で清掃工場に転職を決めたいあなたへ

実際に、ごみ焼却班の『頭脳労働』『肉体労働』『各種重機運転作業』では何をするのか、それらを以下の囲い枠で簡単に説明します。

頭脳労働

頭脳労働はCRT(運転監視操作卓)での燃焼操作・焼却炉の立ち上げ下げシーケンス制御操作等。

肉体労働

飛灰固化機械廻り清掃作業/ごみクレーンバケット及び灰クレーンバケットの清掃作業。

各種重機運転作業

ごみクレーン操作・灰クレーン操作等(各種作業車両運転/粗大不燃班)

35歳以下のあなたに知ってもらいたい将来設計

上の囲い枠に羅列した労働内容をイメージしにくいかとは思います。

ですが、もし若いうちに清掃工場で、これらのスキルを学んでおけば、将来ビル設備管理業界でも応用が効きます。

もし、あなたが将来ビル管業務に就いたら、仕事が楽に感じられると思います。

例えば、ビル管の専門用語は清掃工場の専門用語と共通しています。

若いうちに清掃工場で修行しておけば、“先輩たちが何を言っているのか分からない”なんてチンプンカンプンなことはありません。

なぜなら、修行によって頭の中で設備リテラシーが出来上がっているからです。

ですから能力しだいでは、将来優位な立場でいられる可能性が高いのです。

また、設備を理解しているから現場作業もしやすくなります。

言わば設備の基礎を学ぶためのステップとして清掃工場をおすすめしています。

そして、実際に清掃工場で働いてみると、その面白さも分かります。

もしあなたが業界未経験でも心配いりません。

資格がなくても大丈夫です。

高卒以上35歳以下であれば、あなたがフリーターでも応募してみるべきです。

なぜなら、若い人は採用されやすいからです。

高卒以上35歳以下の若者が採用されやすい…あくまでも個人の見解です。あなたが確実に採用されるという保証はありません。

清掃工場で働く前に知っておきたい仕事内容

💻 テクノロジーあふれるCRT操作

頭脳労働の『CRT操作』をご紹介します。

まずはじめに、運転監視操作卓CRTを使いこなすための予備知識を得ていただきます。

例えば、焼却炉の炉温というのは各自治体規定温度により、おおむね850度以上を維持しなければなりません。

炉の規模にもよりますが、ベストな温度は1020度~1050度の間です。

1100度まで達するとレッドゾーン(重警報域)に入りHCL、CO、NOX、SOXといった様々な公害を生み出します。

また、炉温850度以下では未燃物を生み出し、低燃焼による公害(CO)も出ます。

自動運転から手動運転まで幅広く操作ができるCRT

CRTは本来、温度調整は自動制御です。

しかし、ピットに入ってくるゴミ質が温度に影響しますので、燃焼状態が悪化すれば手動介入をして燃焼調整をします。

それと同時に公害も発生しますので、CRTで手動介入をしてトレンドグラフを見ながら調整をします。

例えば、破砕ゴミと呼ばれる大量のプラスチックごみを、どうしても焼却処分したいときは燃焼状態が悪化します。

大量のプラスチックごみの焼却処分により燃焼状態が悪化すると、燃焼温度が上がりますので公害が発生します。

そのとき消石灰、もしくはアンモニアを手動介入して、排ガス処理設備に吹き込み公害値を下げます。

公害値を制御するには
  • HCL(塩化水素)とSOX(硫黄酸化物)の値を下げたいときは消石灰制御をします。
  • NOX(窒素酸化物)の値を下げたいときはアンモニア制御をします。
  • CO(一酸化炭素)の値を下げたいときは燃焼調整をします。
公害値まとめ
  • 公害が出る温度範囲と公害が出ない温度範囲があるというふうに思ってください。
  • もしCRT画面上に公害値が出たら、それぞれの公害に適した薬品を排ガス処理設備に吹き込みます。

💀 ペットボトルのリサイクルこそ資源の無駄使い

『元々ペットボトルは新品をつくればペットボトル2本分の石油がかかり、リサイクルからつくると3.5本分かかるものなのだ。資源節約という意味ではリサイクルは本末転倒もいいところだ』
【出典/ずっと信じていたあの知識、実はウソでした!(宝島社)/本文より】

ペットボトルはリサイクルしないで、燃えるごみで出してしていただく方がいいのです。
その方が焼却炉の炉温調整にも役立ちます。
ペットボトルや紙ごみは、生ごみと混ぜて燃やすことによって燃焼調整が取れます。

誤解を恐れずに申し上げます。
紙ごみやプラスチックごみは、燃やした方が清掃工場のメリットになります。
省エネ、発電、衛生面などの観点から燃やした方が効率的です。
燃やすことによる公害や温暖化の心配もありません。

💀 「なんでもかんでも燃やしてるって‥」燃えるごみと燃えないごみとの分別はどうしてるの?

例えば、清掃工場にはパートのおばさんが何人もいて、燃えるごみと燃えないごみを分別しているイメージがあるかと思われます。
実際はどうなのかというと、パートのおばさんによるごみの分別はしていません。
清掃工場は少数精鋭で運営しているのでパートのおばさんはいません。

ごみの分別をするとしたら、運転員による大分類なごみの分別しかしません。
というよりも大分類な分別しかできません。
なぜなら、法令に即して生真面目に何トンものごみを分別するのは不可能だからです。

大分類な分別とは?
例えば『巨大な石』『ブロック』『鉄類』『蛍光管』『水銀を含むゴミ』などです。
パッカー車(収集車)に紛れて入ってきたこれらのごみは、燃えないごみとして扱われます。
それらは見つけ次第、粗大不燃まで運び処分します。

🏭ゲーム感覚で楽しいゴミクレーン操作

清掃工場で使用されるクレーンはいわゆる天井クレーン(5t)というものです。

巨大なUFOキャッチャーをイメージしていただけると分かるかと思います。

この巨大UFOキャッチャーでピットのゴミを鷲掴みにしてホッパーに投入します。

今のようなちょっとした動作だけでもコツがいりますので、熟練した技術が必要です。

尚、建設業で使用されるクレーンは移動式クレーンと呼ばれるものです。

天井クレーンとは免許が異なります。

クレーンは2台運転もできます

忙しい時間帯は2台運転で対応します。

しかし応援が足りず、1台運転で急場をしのがなければならないときもあります。

そういったときは1ノッチから3ノッチまでシフトチェンジをして、スピーディーに対応します。

そのときワイヤーロープがキンク(ねじれ)や素線そせん切れを起こさないように注意が必要です。

ですから、忙しい時間帯は2台運転で、あわてないように作業をするのが無難です。

地切りじぎり』と『撹拌かくはん

ごみクレーンの一連の動作はまず、パッカー車(収集車)から投げ込まれたピット手前の新しいごみを鷲掴みにして、地切りをしてから持ち上げてピット全体にばらまきます。
地切りは以下の動画でご紹介します)

つまり、新しいごみと古いごみを混ぜるといった要領です。

しかし、それだけでは古いごみの上に新しいゴミが上積みされているだけなので、良い状態ではありません。

じゃあどうするのかと言いますと、再度、ばらまかれたごみの上から掴み直して持ち上げます。

そしてもう一度、ピット全体に散りばめる感じでばらまきます。

これを撹拌と言います。

ちゃんと撹拌がされていなければ、燃焼状態が悪くなります。

そしてホッパー内のごみが少しずつ減っていくので、投入要求のチャイムが鳴ったらタイミングを見計らって投入します。

クレーン運転士免許を取得するには

専門のクレーン運転士がいる事業所もありますが、ほとんどの事業所ではローテーションを組むため、班長以下のプラント運転員は全員クレーンの免許が必須です。

クレーン運転士(5t)免許は各都道府県の専門の技術教習所で受講します。

技能講習と特別教育を約7日間受けてから本試験に合格し、晴れて取得です。

合格率ですが、ほとんど全員が合格します。不合格の事例もありますが稀です。

技術教習所の費用は13万5千円ほどです。もちろん会社負担です。

出典/石川島技術教習所神奈川センター教習案内】

動画解説:ごみクレーン地切りから、投入までの動作

•動画冒頭部の小刻みな動きが地切りです。

•ごみを掴んでバケットを地面から1m吊り上げた状態でゴミ投入量を調整します。

•ごみ投入要求のチャイムが鳴り、ごみを2.0t~2.5tほど鷲掴みにして地切りをします。

•ワイヤーロープに負荷をかけないように、ゆっくりとした動作でホッパーにごみを投入します。

灰クレーンの運転

灰クレーンの運転とは

まず、灰溶融班という作業部署だけでは焼却灰を溶融処理しきれません。

どうしてもリミットを超えてしまいます。

そこで、焼却班でも焼却灰を処理する装置が設置されていて、それを飛灰固化処理装置ひばいこかしょりそうちと言います。

業界用語で「飛灰ひばい」と呼ばれる焼却灰を飛灰固化処理装置にかけ、液体キレートで固めます。

飛灰固化処理装置から出てきたそれは「飛灰固化」と呼ばれます。

フィンランドのアニメ「ムーミン」に出てくるニョロニョロした感じのものです。

そのニョロニョロした飛灰固化と呼ばれるものが灰ピットに集められます。

灰ピットに集められた飛灰固化を灰クレーンでパクッと掴んでダンプの荷台に積みます。

ダンプに積まれた飛灰固化は産業廃棄物処理場に運ばれます。

動画解説:灰クレーン、飛灰固化搬出作業

•ごみクレーン・灰クレーン共に免許は一緒です。

•因みに建設業で使われるクレーンは移動式クレーンと呼ばれるもので、環境プラントで使われているクレーンとは免許が違います。

•ダンプ運転手は協力業者です。

求人広告の『環境プラントの運転・維持管理』って実際どんな感じ?

👥 環境プラントの運転員は公務員ではありません

まず『環境プラント』とは、世間が持つイメージが悪くならないように清掃工場を美化した呼び名です。

たまに新聞の折り込み広告で『環境プラントの運転職員募集』といった募集広告を見かけます。

これは公務員募集の求人広告ではありません。民間業務委託により末端で働いてもらうプラント運転員を募集しています。

’00年頃から東京23区をはじめとして、現場作業に準ずる人たちだけを対象に、徐々に公務から民間企業への業務委託が始まりました。

因みに民間業務委託への波はプラント運転員だけにとどまらず、パッカー車(収集車)運転手にも及んでいます。

話を戻して「じゃあ環境プラントにいる官の人たちは何をやってるの?」と言うと、○○衛生組合職員として外注業者との折衝や、諸々の事務仕事などをしています。

そして、民間業務委託の運転員(現場作業者)は、官にあたる衛生組合職員のスケジュール管理下で職務を執り行っています。

尚、衛生組合職員と民間の運転員は一緒に現場作業はしません。

関係性はあくまでも衛生組合のスケジュール管理下で、運転員が自立して現場作業を消化していくといった感じです。

つまり、べったりな関係ではありません。

例えば、タービン発電機並びに焼却炉の立ち上げ下げ、全炉停止等の大きな計画予定は衛生組合が決めています。

その運用計画にならって運転員が煩雑な現場作業をします。

また、民間委託会社の人が衛生組合職員と折衝する場合は、主に上層部の人が話し合いに出向きます。

📰求人募集広告から見た環境プラントで働くメリットとデメリット

実際にあった某プラント会社の求人募集例を公開(2004年度)

【雇用形態】
正社員
【業務内容】
環境プラントのオペレーション並びに施設・設備の点検及びメンテナンス等
【資格】
56歳位迄、高卒以上、機械・電気の知識がある方歓迎
*クレーン(5t以上)・2級ボイラー・2種電気工事・危険物乙4・酸欠等の有資格者尚可
【勤務】
•日勤…8:30~17:15(実働8H・休憩45分)
•交代勤務
[1直] 8:30~17:15(実働7.75H・休憩1H)
[2直]16:45~翌8:45(実働15H・休憩1H)
【休日】
•日勤…日曜日、土曜日
•交代勤務…3勤1休(1直―2直―明休み―休み)
【給与】
基本給155000円~230000円(他に時間外・深夜手当あり)*年齢・経験等を考慮します。
【待遇】
昇給年1回、賞与年2回(1か月分×2)、各種社会保険完備、制服貸与、有給休暇、通勤交通費、有扶手当支給他

初めての人に分かりやすく【資格】と【勤務】と【給与】を解説します

【資格】

年齢が56歳位迄とされてありますが、年齢層の受け入れ幅が広い理由をお伝えします。

環境プラントは免許の要らない小型貫流ボイラーは扱いません。免許が必要な大型蒸気水管ボイラーを扱います。

大型蒸気水管ボイラーを扱う仕事は経験と知識がものを言います。それを考慮した上で経験者を優遇し、高めの年齢設定をしています。

しかし、本当は未経験の若者に来てもらいたいのです。

資格は『クレーン・2級ボイラー・2種電気工事・危険物乙4・酸欠等の有資格者尚可』ですが、別に持っていなくても何の問題もありません。採用後に取得できます。

【勤務】

•日勤…8:30~17:15(実働8H・休憩45分)とありますが、これは主に整備班・粗大不燃班と呼ばれる日勤班のシフトです。

•交代勤務
[1直] 8:30~17:15(実働7.75H・休憩1H)
[2直]16:45~翌8:45(実働15H・休憩1H)とありますが、これは主に焼却班・灰溶融班と呼ばれる交代班のシフトです。

新人のあなたがもし採用された場合、交代勤務に配属される可能性が高いです。

仮眠について
交代勤務の[2直]は仮眠があります。

ですが、本来仮眠は衛生組合の仕様で『〇時間とること』というふうに決められていません。

なぜなら、危機管理上寝てはいけないことになっているのです。

しかし、人間の生理上、"夜間眠らないのは自律神経に異常をきたす"といった理由から、暗黙で仮眠の了解を得ています。

ですから仮眠時間は班長の裁量により各班でバラバラです。だいたい3~4時間と思ってください。

話が横道に逸れますが、建物設備管理業界において仮眠の無い現場は多いです。

健康や仕事のパフォーマンスを維持させるためにも、『屋内での業務従事者に対し夜勤には交代制をもって仮眠をつける』といった内容を法令で決めるべきだと思います。

【現在、雇用主は勤務中に仮眠の時間を設ける義務はありません/労働基準法には仮眠時間の記述なし[2020年度更新情報]】

配属について
もし泊まり勤務が苦手な場合は、面接時に希望を出せば日勤班に配属される可能性もあります。

ただし空きがある場合です。

しかし、もしあなたがスキルアップ、言わば修行のために入社を望むなら、断然焼却班をおすすめします。

なぜなら、焼却班は仕事の守備範囲が広く、様々な事象も多く、そこから色々な学びがあるからです。

【給与】

昔は老舗のプラント会社が特化した技術をウリにして、安定した年次契約で事業を運営していました。

その理由は、年度末の入札で、環境プラントに着目する企業が少なかったのです。

それが幸いして、数少ない老舗のプラント会社が、契約をつないで安定した運営をしていました。

’00年代は環境プラントの民間業務委託が義務化されて間もない、混沌とした良き時代でもありました。

また、従業員の給料も申し訳程度ですが、安定した収入を得られていました。

もちろん正社員ですから賞与もあります。

しかし、ここ最近では何の技術も持たない人材派遣会社が、イケイケどんどんで迫って来ています。

「自分たちにもこの仕事はできる!」と勘違いし、入札競争に参加する事態が増えています。

その結果、人材派遣会社が安い金額で、次々と落札して現場を獲得しているのが現状です。

因みに入札競争のルールは、数ある申請のなかから一番安い請負金額を提示した企業が選ばれます。

ですから、現在、事業所によっては従業員が時給でアルバイト扱いされているところもあります。

なんと、環境プラント運転員の求人募集に「時給○○○円」と表記されているケースもあります。

ですから、求人募集している会社が、派遣会社か老舗のプラント会社かをHPで見極めてください。

設備業界だけにとどまらず、どの業界も雇用の怠慢化は深刻です。

一人一人が発言の場を借りて改善に向けて訴えていくしかありません。

 

あなたは本当に環境プラントで働く覚悟がありますか?

あなたが今、引き返せるように包み隠さず教えています

ここまでお読みになっていかがでしたか?

他ページでは、ごみ焼却場の仕事|『ボイラー管理業務』『薬品の取り扱い』『専門用語』『仕事内容』もご紹介しております。

それらを含めて、環境プラントの仕事を全力で解説しました。

すべてを出し尽くした感じがあります。

しかし、ここで勘違いをしないでください。

環境プラントの仕事は、まだまだこんなものじゃありません。

このページでの解説は、ほんの序の口なのです。

本当は、まだまだ山のように、いや、山脈のように煩雑な仕事があるのです。

あなたに、それらの煩雑な仕事と向き合う勇気がありますか?

あなたがもし40を過ぎているのでしたら、悪いことは言いません。

若い人に道を譲ってあげてください。

そうです、はっきりと申し上げます、中高年者は辞退してください。

「知らなかった‥」じゃ遅いのです

あなたが後悔しないように、もっと正直に申し上げます。

環境プラントの仕事は煩雑と言うよりも、複雑怪奇と言った方がよいでしょう。

複雑怪奇な仕事が山ほどあるプラント業界です。

年配者が未経験で入社すると、目も当てられないほど悲惨です。

入社してくる人のほとんど全員が、異業種からの転職者です。

入社1年目はまず、先輩たちが何を言っているのか解りません。

また、仕事は一応、建前で教えてはくれますが、説明が上手な人はまずいません。

これは、どの業界においても言えます。

私の個人的な話ですが、今までの仕事人生において説明が上手だった人はたったの3人です。

他の人は何を言っているのかさっぱり解りませんでした。

それが環境プラントでは顕著に現れます。

そうです、職人気質というふうにそれは現れます。

「ま、俺の背中を見て覚えろや」というやつです。

結果、新人は皆、仕事を理解するのに苦しみます。

それが中高年者であれば、なおさらです。

新人が成長しない2つの理由

1:説明ができない先輩たち

職場の新人は赤ちゃんレベルで何も知らない

環境プラントという現場仕事では、弁が立つ人はなかなかいません。

先輩が何かを言うときは、怒鳴るか口下手かで極端に分かれます。

理路整然とした言葉で、丁寧に仕事を教えられる人がいません。

理系の仕事なのに土建屋気質です。

また、環境プラントの先輩たちは“職人は説明をしない”という概念が少なからず刷り込まれています。

それに付け加えて、“そもそも仕事を理解していないから説明ができない”といった先輩たちもいます。

そんな理由から、環境プラントの先輩たちは、仕事ではだんまりを決めています。
(雑談・バカ話・悪口は皆好きです)

しかし、それでは新人が育ちません。

以心伝心で物事が伝わったら誰も苦労しません。伝わったらエスパーです。

それは、環境プラントという現場仕事の職場に限らず、どの業界の先輩も分かっていません。

もっと踏み込んで言うならば、『新人の頭の中は真っ白』というのが分かってないのです。

そういった理由から、新人は先輩に何を質問したらいいのかも分からないのです。

ですから、先輩からの説明を受けられなかった新人はいつも頭の中がはっきりせず、ぼやけています。

説明を受けられなかった新人は、日常のささいな職務でその副作用が現れます。

例えば、『朝礼や夕礼で引継ぎ対応をしない』『周知事項を周知しない』『マナーを守らない』などです。

そして、我々が義務教育ではないのを理由に、先輩たちは今目の前で起きている“教えないという”問題を改善しようとしません。

あまりにも低次元なので、それらは知っていて当たり前というふうに、問題として見向きもせず放っておかれているのが現状です。

しかし、職場ではそれらを知っていて当たり前なことと切り捨ててはいけません。

なぜなら、最低限のルールやマナーなどは、ちゃんと教えなければ後々まで受け継がれません。

買い物客も赤ちゃんレベルで何も知らない

話が横道に逸れますが、マーケティングでは『見込み客の頭の中は真っ白』といった教えがあります。
例えば、電気店にタブレットを買いに来たお客さんが何人かいたとします。
ところが、タブレットを買いに来たにもかかわらず、どのお客さんも、驚くほどタブレットについて何も知りません。
実は、お客さんの中でタブレットについて勉強してくる人はほんの一握りです。
ですから、電気店の販売員はお客さんに「タブレットはタッチで操作ができるパソコンなんです」
と、イチから解りやすく説明する必要があるわけです。

先輩が新人に仕事の説明をしないのは職務怠慢です

いまの話は職場の新人教育に置き換えても言えます。

ですから、どの職場の先輩も、新人に解りやすく何でも説明する義務があるのです。

それも、相手が迷惑がろうが一方的で構いません。

職場において遠慮や気遣いは壁になるだけです。

新人がルール・マナーもしくは仕事を知っていようが知っていまいが、先輩が新人に一方的に教えてしまえばいいのです。

別に感謝されなくても構いません。

例えば、先輩のあなたが新人に仕事を教えて、新人が仕事を覚えないという場合があります。

その場合、人は1回言われただけじゃ覚えません。

3回くらい言われてようやく記憶が定着します。

そういった定義から、先輩のあなたは何度も理路整然とした説明で、新人に教えてあげる義務があります。

2:悪ふざけな高齢者を雇用してしまう

向上心を持って仕事に取り組むステップアップ転職組

転職者は皆、様々な事情を抱えて転職活動をします。

その中には過去の職場で苦い思いをされたり、やむを得ない事情があったりと、理由はさまざまです。

転職者の中にはごくまれにですが、環境プラント経験が豊富な40代の転職者がいます。

その人たちはステップアップ転職組です。

「新しくできたプラントで過去の経験を活かしたい」
「前からタービン発電機を扱いたかった」

などの向上心のある目的意識があります。

そういった理由から、ステップアップ転職組は即戦力扱いで班長候補として採用されます。

40を過ぎてから未経験で環境プラントの仕事に就いた人の末路

ところが、40代以上で未経験の転職者ともなると、環境プラントで人生を好転させるのは不可能です。

なぜなら、環境プラントで一人前になるには7年~8年はかかります。

キャリア7~8年でも「ようやくコイツはある程度のレベルになったかな」という感じです。

大型蒸気水管ボイラーを扱う(1級)ボイラー技士は長年のキャリアがものをいいます。

ですから、ボイラー業務はできるだけ若いうちから始めたほうがいいのです。

実際に40代からボイラー業務を始めた人で、一人前になれた人を私は見たことがありません。

なぜそのような人がいないのか?

理由は40代以上の未経験転職者のほとんどが、逃げの転職をされてる人たちだからです。

それは、その人たちのやる気のない顔つきと怠惰な言動ですぐに分かります。

責任を持って仕事をしない雰囲気が全身からも出ています。

また、そういう人たちを雇う方も雇う方です。

しかし、新人募集で若者の応募がなければ、人柄も見ないで雇ってしまうのが現状です。

もし、そういう人たちが雇われてしまうと職場はどうなるのか?

悪ふざけや、すっとぼけが横行する高齢者サロンになります。

老害をまき散らす、逃げの中高年転職組

私は、今まで班長以下の50・60代運転員が高度な仕事をしているところを見たことがありません。(40歳以降未経験入社組の人です)

  • 彼らは高齢で仕事が覚えられないのを免罪符にします。
  • 彼らは仕事を理解していないので警報が発報されても、自ら立ち上がって現場で対応しません。
  • 彼らは仕事を理解したくないので難しい作業がある日は、いつも右往左往して逃げ回ります。

ところが、簡単な仕事やどうでもいいことに対しては、口うるさく神経質にこだわります。

  • 機器の汚れ落とし
  • 監視カメラの向き
  • メモ用紙に罫線を引く
  • ごみを捨てに行く

などです。

「適当じゃだめなんだよ~」とか言いながら雑用を真面目にやります。

不良社員が生き残るための3ステップ
  1. 雑用を真面目にこなしながら誠実さを装う。
  2. 次元の低い環境を意図的に構築する。
  3. 勝手なルールを決めて人を縛り付ける。

みじめな三段落ちですが、彼らが生き残るためには仕方のない手段なのかもしれません。

これが環境プラントの現実です

雑用以外の他に、彼らができる仕事は簡単な定例作業(軽作業)です。

高度な仕事に限っては、他の班員たちが彼らの分まで働かなくてななりません。

ですから、他の班員たちはいつも疲労困憊していました。

挙句の果てには労働組合まで結成した性質たちの悪い高齢者まで現れました。

彼は自分たちの都合がいいように、人の揚げ足を取り、会社と現場をコントロールしました。

他にも彼は「休憩時間にマンガ・雑誌を読むな」というルールを勝手に決めました。

私がその渦中にいたころは、さまざまな事故やトラブルも相まって現場は苦しい状況でした。

そんな混乱の中、現場は窮地に立たされました。

ついに、一部の若者たちはストレスで疲弊しました。

それにもかかわらず、誰も悪ふざけな高齢者たちをとがめようとしませんでした。

心なしか、皆が一緒になって、ふざけているフシさえありました。

結果、力及ばず2011年3月、長く苦しい時代は終焉しゅうえんを迎えました。

情けなく恥ずかしい話ですが、我々はそんな現実を作ったのです。

職場が誰かの手によって潰されてはいけない

35歳以下の人たちが、長期的に活躍できる職場を目指すには

環境プラントの未来を創るために、高卒の新入社員を雇用する

さきほどから私は、“若者至上主義的な価値観”を提唱しているかのように思えます。

ですが、実は、各班の班長にはベテランに指揮を執ってもらいたいと思っています。

なぜなら、経験豊富なベテラン上司は何でも知っているし行動力もあるからです。

また、そういう人がいると心強いので部下たちも安心して仕事ができます。

要は、ちゃんとした指導者の元、すそ野が広がった組織図ができていればいいのです。

そこで、ベテランを他社からヘッドハンティングするのは現実的ではありません。

指導者の育成は後ほど考えるとして、まずはピラミッドのすそ野をどう広げるかです。

それは、高卒の新入社員を青田買いするのでしたら努力次第でできると思います。

彼らを採用し、長い時間かけて成長させるのです。

そこで、反対に、できない理由を並べるのは簡単です。

「人手不足だからとか、少子化で若者がいない」などです。

しかしながら、そんなネガティブ論はどうでもいいのです。

人を育てなければ環境プラントの未来はないのです。

もはや否定的な屁理屈を言ってる場合ではありません。

職場を高齢者のサロンにしてはいけないからこそ、お伝えしています。

従業員のストレスは、会社にいくら損失を与えているのでしょうか?

環境プラントの未来を創るために、教育のできる指導者を育てる

環境プラントの仕事は緻密、且つ神経戦です。

若いうちから身に付けておかなければ、成長が期待できない仕事です。

教育をしないで怒鳴り散らすだけの上司、老害をまき散らす高齢者‥。

最近まで、そういったアクの強い戦後直近生まれの世代が、職場で迷惑をかけてきました。

これまでの環境プラントでは、若者が良い指導者に恵まれずに育っていないのが現実です。

しかし、年月が流れた今、アクの強い戦後直近生まれの世代が離職しました。

それに伴い人手不足ですから、35歳以下の若者にとっては今がチャンスです。
(2020年度更新情報)

よって、これから職場環境は少しずつ良くなっていくことでしょう。

そこで、若い人は、このチャンスを活かさない手はありません。

ですから、現在、大学で化学を専攻されている方、もしくは卒業された方は環境プラント運転員を目指してはいかがでしょうか。

きっと、ご活躍できると思います。

そして、将来は解りやすい説明ができる指導者になっていただければ幸いです。

また、大卒や高卒のフリーターもしくはニートの方も、人生の再起をかけて環境プラントの求人募集に応募してみてはいかがでしょうか。

安定した未来は保証できませんが、何年か勤めたらビル設備管理員になるための将来設計ぐらいはできます。

そこでの大きな成功は期待できませんが、資格を活かしながら地に足を付けて生きていけます。

高卒の私でさえ、この場を借りてあなたにご指導をさせていただいてるくらいですから、あなたにもできます。

あなたが良き職場に巡り逢えますようお祈り申し上げます。

ご安全に。



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