Building management & Energy management

ごみ焼却場の仕事|仕事内容



煩雑だけどやりがいがある『環境プラントの仕事』

IDFの模擬運転
IDFとは誘引ファンです

炉内の排ガスを引っ張って煙突に導きます。

また、ファンで排ガスを引くことにより炉内を負圧にしたり、燃焼物をコンベヤまで流れるように引っ張ったりもします。

まさに、一石三鳥です。

IDFの模擬運転とは

例えば、休炉中の炉内点検で乾燥段・燃焼段・後燃段と呼ばれるストーカーをテストで動かすときに行います。

そのときに、なぜIDFの模擬運転をするのかといいますと、まず「休炉中の設備は動かせない」と思ってください。

そこで休炉中の乾燥段・燃焼段・後燃段と呼ばれる灰出し系統をテストで動かしたいときは、IDFをCRTで模擬入力します。

IDFという炉の心臓部が動いていることにより、炉全体に「ただいま稼働中」の信号が模擬で送られます。

そうすることにより休炉中でも灰出し系統がテストで動かせるのです。

※実際にIDFは動いていません。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』

因みに、休炉中の『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』といった作業があります。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』はオーバーホール後に実施する、大がかりな各灰出し系統のテスト運転です。

『灰出装置コンベヤ慣らし運転(1h)』も同様にIDFをCRTで模擬入力します。

入力後IDFが模擬運転をします。そこで各灰出装置のテスト運転をします。

CDF(cooling draft fan)
CDFとは排ガス冷却送風機です

排ガスを冷却して炉内温度を調整します。

一次空気とも呼ばれ、炉内上流から冷たい空気を送り込みます。

現場操作はしません。基本操作は中央CRT遠方操作です。

カスケードモードからオートもしくはマニュアルモードに変更して任意の数字を打ち込み炉温を調整することができます。

特に模擬運転などの操作はありません。

IDFの流れで補足的に付け加えさせていただきました。

FDF(forced draft fan)
FDFとは押し込み送風機です

ごみの燃焼に必要な空気を送り込むファンです。

二次空気とも呼ばれ、炉内下流から熱い空気を送り込みます。

現場操作はしません。基本操作は中央CRT遠方操作です。

カスケードモードからオートもしくはマニュアルモードに変更して任意の数字を打ち込み炉温を調整することができます。

特に模擬運転などの操作はありません。

IDFの流れで補足的に付け加えさせていただきました。

井水原水槽電極棒清掃
電極棒とは水位を検知する制御棒です

【上上限水位―上限水位(満水)―常用水位―低水位―極低水位】の水位レベルを感知してポンプを制御する水位検知棒です。

ボイラ設備の受水槽・高置水槽にはNO.1、NO.2の各水槽に2束ずつ電極棒が設置されています。

減水満水用電極棒と運転制御用電極棒がワンセットでNO.1とNO.2の各水槽に設置されています。

硬度の高い井戸水を使用する井水原水槽は、電極棒にスケール(異物)が付着しやすいので月次で清掃します。

電極棒の清掃

例えば、NO.1原水槽の電極棒を清掃するとき、まず電極切替版スイッチをNO.1→NO.2に切り替えます。

続いて、NO.1減水満水用電極棒のコンセント(1本)を外します。

次に外したコンセントにジャンパー線を取り付けて警報を解除します。

続いて、NO.1運転制御用電極棒のコンセント(2本)を外します。

ここでNO.1減水満水電極棒と運転制御用電極棒を水槽から引き上げて紙やすりとウエスで拭き清掃をします。
 

電極棒まとめ

電極棒は満水及び減水を検知してポンプに信号を送る制御棒です。

浄水系の各水槽において電極棒の設置が義務付けられています。

因みに、汚水・雑排水槽においては電極棒を設置してはいけません。

なぜなら、電極棒に汚物が絡みつくからです。

汚水・雑排水槽においてはフロートスイッチの設置が義務付けられています。

消石灰ホースハンマリング
ハンマリングとはハンマーで叩くことです

低層階にある消石灰ブロワ室から上層階にある排ガス処理設備の吹き込み口まで、ゴム製のフレキシブルホースが伸びています。

そのフレキシブルホース内には粉末状の消石灰が流れています。

消石灰の粉は湿気ですぐに固着します。

消石灰の固着を防ぐために木製ハンマーで、フレキシブルホースを叩きます。

消石灰ホースハンマリングの手順

ブロワ室制御盤、〇号炉電流値・吐出圧を無線で中央に報告します。

その際に〇号炉消石灰供給ブロワと※切り出し装置をCRTで停止してもらいます。同時に撹拌機も連動停止します。

ペール缶・スクレーパー・ワイヤブラシ・ウエス・ラジェット・木製ハンマーを準備して上層階へ。

ホースを外して排ガス処理設備、消石灰吹き込み口の清掃をします。

清掃後、ホースを取り付けたら無線で中央に清掃終了を報告します。

その際に〇号炉供給ブロワだけをCRTで運転してもらい、ホース内を空吹きします。

〇号炉消石灰ホースのハンマリングを開始します。

無線で中央にハンマリング終了を報告します。

その際に〇号炉切り出し装置をCRTで運転してもらい、ホース内に消石灰を通します。

上層階吹き込み口より漏れがないことを確認します。

最後に制御盤〇号炉消石灰供給ブロワの電流値・吐出圧を無線で中央に報告します。
 

※切り出し装置停止時の注意点:ハンマリング作業終了後に切り出し装置を復旧運転する際は、必ず撹拌機も連動運転されているかを確認してください。

スキャンオフ
スキャンオフとは機器からの信号を断絶させる操作です

スキャンオフはCRTで操作設定します。

例えば、熱電対などの信号を中央に送信する部品が消耗したとします。

その消耗した熱電対を、新品の熱電対と交換するときに、信号を読み取れなくする設定がスキャンオフです。

いわゆる通信禁止操作です。

スキャンオフをする理由

スキャンオフをして過剰な信号による通信機器の障害を防ぎます。

CRTポイント画面のグラフに波形が表示されないようにします。

ストレーナー清掃
ストレーナーとは水の汚れを取る筒状のアミです

ストレーナーは水を手軽にろ過するための、アミが張られたステンレス製の筒です。

機器・装置の動作不良や目詰まりの防止をする役割をします。

ボイラ設備にはポンプがたくさんあります。

月次で各ポンプのストレーナー清掃をします。

ストレーナー清掃の手順

ポンプ制御盤のセレクトスイッチを遠方から手元にします。

ポンプを停止させます。

制御盤を開けてブレーカーを落とします。

吐出弁と吸込弁を閉にします。(ミニマムフロー弁があれば閉にします)

ドレン弁を開けてドレン抜きをします。

工具を使って保温カバーとフランジ(蓋)を外します。

ストレーナーを取り出してワイヤブラシで水洗いします。
 
脱水機運転
脱水機運転とは泥に含まれる水分を抜く作業です(週例作業)

プラントの汚水処理設備には汚泥貯留槽があります。

微生物によって分解処理された汚泥を汚泥供給ポンプでくみ上げ脱水処理します。

脱水機にかけられた汚泥は含水率70%以下まで脱水します。

脱水された汚泥は汚泥貯留ホッパへ、分離液は希釈放流槽へ移送されます。

脱水汚泥は協力業者のトラックでごみピットに落とされ、助燃材(ごみ)として有効利用されます。

脱水機運転の手順

中央CRTで汚水処理施設の画面を見て『脱水可能水位』『ゲートシュート閉』が点灯されていることを確認します。

脱水機室に向かいます。

脱水機室ケーキコンベヤの慣らし運転をします。(アイドリング10分間)

ケーキコンベヤの慣らし運転をしている間に、汚泥供給ポンプの汚泥供給入口弁・吐出弁が開いているのを確認します。

汚泥供給ポンプ制御盤セレクトスイッチの自動・遠方を確認します。

マンホールを開けて汚泥貯留槽の水位を"垂直タラップ何段"で確認します。

ケーキコンベヤの慣らし運転を停止します。

脱水機室制御盤『No.1脱水機[運転完了][待機中]』の点灯確認をしたら、No.1脱水機[連動運転ON]を押して運転を開始します。

数時間後に中央CRT画面『脱水可能水位』が消灯して、画面より脱水機運転終了がアナウンスされます。

現場に向かい、汚泥供給ポンプと脱水機の配管洗浄します。

ケーキコンベヤに散乱している汚泥をすくい取り洗浄します。

脱水機のケーシングを開けて洗浄します。

各制御盤セレクトスイッチの自動・遠方を確認します。

作業終了です。
 
フラッシング
フラッシングとは配管洗浄です

フラッシングはフラッシングブローとも呼ばれます。

例えば、減温水ラインなどの灰が固着する送水ラインや使っていない給水系のバイパスラインに水を通して洗浄する作業です。

要するに、配管内の水を強めに流して詰まりを除去し、配管内にある不純物の固着を防ぐ配管洗浄です。

現場でバルブ操作をするだけではなく、中央との連携でCRT操作による流量入力も行います。

停止炉中:減温水ラインフラッシングブローの手順

減温塔には金属製のフレキシブルホースを使用した水のラインと空気のラインがあります。

水のラインのフレキシブルホースにペール缶を設置します。

各送水ラインのバルブ開を確認してから〇号炉減温水ポンプを運転します。

中央に無線で「〇号炉減温水遮断弁開」及び「〇号炉集じん機入口温調水流量1.0㎥を入力」を指示します。

水が勢いよくフレキシブルホースからペール缶に吐き出されます。

水がペール缶からあふれ出ないうちに、流調弁・その他のラインからの漏れがないかを確認します。

〇号炉減温水ポンプを停止します。

中央に無線で「〇号炉減温水遮断弁閉」及び「〇号炉集じん機入口温調水流量1.0㎥の解除」を指示します。(立ち上げ前であれば減温塔に温調ノズルを装着します。)
 

数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

ボイラ極低試験
ボイラ極低試験とは模擬の漏水事故を想定した警報試験です

もし何らかの不具合で、ボイラドラム内の水が抜けたら低水位警報が発報します。

そのときに、ちゃんとCRTから警報が発報されるか否かをテストするのがボイラ極低試験です。

模擬による漏水事故の警報テストを実施します。

ボイラ極低試験の手順

ボイラドラム水底ブロー弁をCRT操作で開にします。

ボイラドラム水底ブロー後弁を現場操作で20%開けます。

少しずつドラム水位を減らしながら、現場と中央で様子を見ます。

ドラム水位-150mmで水位低の警報が発報されるかを確認します。

ドラム水位-300mmで極低の警報が発報されるかを確認します。
(現場の人にも無線で報告します)

ドラム水位-300mmで極低の警報が発報されたら、ボイラ給水ポンプを運転します。

CRT操作でボイラ給水流量をオート制御で10t(ゆっくり7tでも可)を入力し、水位0mmまで水張りします。
 

※注意:作業終了後、ボイラ起動弁が自然に22%くらい開くので0%に戻します。
数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】

ボイラスートブロー
ボイラスートブローは高圧蒸気によるすす吹き清掃です

ボイラスートブローは"すす吹き"と呼ばれるものです。

各種熱交換器の伝熱面に付着したすすやダストを、すす吹き管に高圧蒸気を吹き込んで除去します。

脱硝スートブローも高圧蒸気による吹き清掃です

ボイラスートブローとは別に脱硝スートブローというのもあります。

内容はボイラスートブローと一緒です。

ボイラスートブローと脱硝スートブローは危険回避のために夜行います。

ボイラスートブローと脱硝スートブローは日常の定例作業

CRTのタッチパネルで運転します。タッチ一つで簡単に操作できます。

ボイラスートブローの一工程だけで、だいたい2時間くらいです。

環境プラントのボイラスートブローは全自動ですが、病院ボイラーのボイラスートブローは手動操作のところもあります。

※注意:ボイラスートブローと脱硝スートブローは絶対に同時に行ってはいけません。タービントリップします。

低圧給水での水張り作業
低圧給水はポンプを使わない水張り作業です

大規模な事業所ではボイラ設備に低圧給水配管があります。(地下1階あたり)

低圧給水配管は自然循環力が強いのでポンプを使わなくてもバルブを開けるだけで通水されます。

熱電対(ねつでんつい)の交換作業
熱電対ねつでんついとは炉内温度検知管です

熱電対は約1m弱の金属製の棒です。耐熱温度が1250℃です。

その棒が炉壁外側から炉壁内側に向かって刺すように設置されています。

熱電対の設置本数は炉の規模にもよりますが、1炉に約6本ほど設置されています。

西林電機製作所の熱電対

熱電対は消耗品です

熱電対の寿命は、炉内温度に左右されます。

安定した炉内温度で長期間運転できた場合は、3年は持つであろうと言われています。

しかし、炉内の燃焼状態が悪く、高温の状態が長期間続くと1年で劣化します。

熱電対は劣化したら交換です

交換の目安は、CRT画面の熱電対グラフに現れます。
(もしくは炉内温度で異常な数字で現れます。)

それはCRT画面のグラフできれいな波が打たなくなります。

そして、最後はハンチング現象が起こります。

熱電対の交換作業

交換作業は現場と中央との無線でやり取りをしながら行われます。

まずCRTで炉内圧を-0.07mpaから-0.1mpaまで引いて、より負圧にします。

より負圧にする理由は交換作業中、炉内でスプレー缶などが爆発したときに、一時的に開いたフランジ(差し込み穴がある円形状の鉄板)口からの爆風を受けないためです。

また、交換作業中は現場からの熱電対の信号を読み取れないようにするため、CRTでスキャンオフ(通信禁止)にします。
スキャンオフにする理由は通信障害を防ぐためです。

交換後はCRTで炉内圧を-0.1mpaから-0.07mpaに戻します。

CRTでスキャンオンにして動作確認後、作業終了です。
 

👓まめ知識:病院の感染症病棟の室内も負圧です。これは病原菌を室外に出さないためです。】

満水保缶
なぜ満水保缶にするのか?ボイラドラムを満水保缶にする2つの理由

満水保缶は上でも紹介しましたが、満水保缶にする別の理由があるためここでも解説します。

まず一つ目はボイラドラムの酸化腐食防止です。これは上で解説しました。

次の二つ目は昇圧による水位半減です。これはまだ解説していません。

昇圧による水位半減とは

休炉中にボイラドラム内をきれいにした後、給水してドラム内を満水にします。

そして、満水後に薬品を基礎投入してから焼却炉とボイラーを立ち上げます。

そのときに、なぜドラム内の水位を満水にするのかと言いますと、

立ち上げ後はボイラ設備が昇圧され、ドラム内の水は気化により半分に減るのです。

その半分に減ったところの水位(0mm前後)が常用水位です。

満水保缶とは計算された作業工程でもあるのです。

【※ボイラ休止中はやむを得ない事情がない限り、ドラム内は満水保缶です。(酸化による腐食防止のためです)】

メンテナンス登録
メンテナンス登録は通信禁止と呼ぶと解りやすいです

メンテナンス登録はCRTで設定します。

点検修理のため停止中の機械設備に信号が通じないようにする操作です。

いわゆる通信禁止です。信号をオフにします。

点検修理中に機械が動かないように、事故防止のためにCRTでメンテナンス登録をします。

スキャンオフの通信禁止とは性質が違います

メンテナンス登録はスキャンオフと違いCRT画面の波形グラフに反映されません。

※CRTのメーカーによってはメンテナンス登録(通信禁止)は保守登録とも呼ばれています

【※通信禁止の呼ばれ方:東芝…メンテナンス登録 ジョンソンコントロールズ…メンテナンス登録 アズビル(山武)…保守登録】

 

35歳以下のあなたへ

ここまでお読みになられていかがでしたでしょうか?

環境プラントの仕事が、ある程度お分かりいただけたかと思います。

入社時に、これらの仕事内容を知っていると、業務がスムーズにはかどります。

要するに、アドバンテージが得られますので、今後の立ち回りが違ってきます。

また、これらの仕事内容を熟知していれば、後輩たちの指導にも生かせます。

是非、お役立てください。

ご安全に。



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