ごみ焼却場の仕事|専門用語
プラント業界で使われる専門用語を分かりやすく解説します
安全弁とは圧の逃げ道です
安全弁は配管内の蒸気および水などの圧力を自動で逃がすための逃し弁です。
バルブの開け忘れによる人為的なミスでの事故、その事故を防ぐ目的で取り付けられた安全装置バルブです。
ボイラー構造規格で『蒸気ボイラーには安全弁を2個以上備えること』という決まりがあります。
ボイラ設備に安全弁がある理由
例えばボイラー立ち上げなどの初期工程において、どこかのバルブを開け忘れてしまった際に蒸気を通気するとどうなると思いますか?
そうです、圧が上がって爆発してしまいます。
そういった事故を防ぐために安全弁があります。
インタロックとは安全のために停止するシーケンス制御です
インタロックとは安全装置です。
主安全制御器とも呼ばれています。
安全に即した条件が整っていないと機械が動作しないようにする制御装置です。
さまざまな業界で使用されています。
環境プラントの安全ルール
環境プラントの例で言えば、「機械を動かすときは下流から動かす。機械を止めるときは上流から止める」といったルールがあります。
これはCRTの配置画面で見た場合、焼却灰は上から下に各コンベヤで流れています。
要するに、さまざまな機械が連結して上から下へ動いています。
安全ルールを前提としてインタロックが働く
そこで、安全性から「機械を動かすときは下流から動かす。機械を止めるときは上流から止める」といったルールが決められています。
これをもし仮に、機械を上から動かそうとしてもインタロックがかかって動かせません。
なぜなら、灰を処理しなければならない下が動いていないからです。
逆に下から止めようとしてもインタロックがかかって止められません。
なぜなら、上が灰を流しながら動いているからです。
インタロックまとめ
別の例で解りやすくお伝えしますと、下流がコンベヤトリップでエラー停止すると、インタロックが作動して上流まで自動停止します。
そうなった場合、トリップした現場まで行って復旧操作をします。
ウォーターハンマーとは配管から発生する共鳴現象です
ボイラー設備の配管、貯湯槽の配管、(冷温水発生器)などの配管内で高速の蒸気が飛び交う現象です。
機械設備の立ち上がり時などでは、配管からカンカン音が鳴り響きます。それがウォーターハンマーです。
旧式の大型温水ボイラーを使用している病院などでは、ドレンアタック的にドーンという爆弾が落ちるような音がします。
配管内で高速の蒸気、もしくはドレンが行き交いますから、ウォーターハンマーはや配管の破損に繋がります。
もし配管からウォーターハンマーが出ている場合、事業所のマニュアルに従って対応をしてください。
大抵の対処法は、「ドレン弁を開けて対応する」というふうに書かれています。
エアがみとは空気が挟まって水や薬液の出が悪い状態です
例えば水道の蛇口を開けると、水がバリバリいいながら吹き出すときがあります。
あれがエアがみです。
エアが噛んでいるので、吹き出しの水の出も悪くなります。
給水ポンプ不良の原因とは
給水ポンプ吸い上げのトラブルの多くは、エアーが噛んで吸い上げないといったところです。
給水ポンプ吸い上げ不良の原因は、たくさんあります。(ここでは割愛させていただきます。)
対処法は、エア抜き弁を開けてエアーを抜きます。
薬注ポンプにもエアがみはあります
薬注ポンプのエアがみであれば、どのバルブやコックも開けずに圧をかけて、安全弁をわざと吹かすやり方で対処する方法もあります。
オーバーフローとは限界水位を超えて水があふれた状態です
受水槽・高置水槽の満水域(上上限水位)を超えて、水があふれている状態を表します。
満水により受水槽・高置水槽が破裂しないように、逃げ道のオーバーフロー管が水槽上部に設置されてあります。
オーバーフローが起こる4つの原因
- 給水配管の途中にあるFMバルブの不具合。→ハンマーで軽く叩いてみる。
- 受水槽・高置水槽に設置されている電極棒に汚れが付着している。→電極棒の清掃をする。
- 受水槽・高置水槽への自動給水時に起こるポンプのエラー。→盤を開けてポンプのブレーカーリセットをしてみる。
- 制御盤内のポンプのリモコンリレーが劣化している。→リモコンリレーの交換。
洗面台のちょっと上にある穴の役割
因みに洗面台のちょっと上にある穴ですが、あれもオーバーフローの役割をするホールです。
蛇口の閉め忘れと排水ポップの開け忘れにより床面が水浸しにならないように、どの洗面台にもあります。
クリンカとは溶けた不燃物が固まってできたコンクリート状の吸着物です
クリンカは局部的な高温で灰が溶融し、それに溶融ガラスや金属粒子などの不燃物が巻き込まれ大きくなったものです。
それは、焼却炉内の燃焼反応で炉壁耐火材に張り付きます。
放っておくと何メートルにもなるコンクリート状の吸着物です。
クリンカを除去するには
炉壁耐火材とクリンカは同化するようにくっついています。
ですから、クリンカを無理に剥がそうとすると耐火材のほうが割れます。
炉内点検時にクリンカを落とす場合は、ハンマーで軽く叩くか、ケレン棒で軽く突き落とします。
(ケレン棒:下記参照)
クリンカ除去における注意点
そのとき炉壁上部から氷柱つらら状に垂れたクリンカを見つけた場合ですが、ケレン棒で落とすのは、よほどの注意が必要です。
過去に、ある事業所でクリンカ除去作業中、落ちて来たクリンカが腕に刺さった事故が起こりました。
クリンカにはガラス成分が含まれていますので、もし肉体が切れたら何針も縫う大怪我になりかねません。
ですから炉内点検時に、機敏な動作と無理なクリンカ落としだけは絶対にやめてください。
炉内のクリンカ落としは専門業者にお任せです。
【出典/焼却炉技術コンサルタント《滋賀技研》計算書のプロ】
ケレンとは清掃です
英語のクリーン(clean)が語源で、それが日本でなまってケレンとなったと言われています。
ケレンにちなんだ言葉はいくつかあります。
ケレン棒やケレン清掃などです。
ケレン棒とは
先がヘラ状になっている1m弱の鉄製の棒です。
ケレン棒を使ったケレン清掃
ケレン棒を使って主灰出しコンベヤダンパ(ゲート)に固着した灰をそぎ落とします。
(運転員の仕事です)
ケレン棒を使って休炉内の炉壁耐火材に張り付いたクリンカを突き落とします。
(専門業者の仕事です)
【出典/神谷商事株式会社HP・雑記帳「ケレン棒」】
ごみホッパブリッジとはホッパーのごみ詰まりです
クレーンでのごみ投入時に、全体で約2tものごみがホッパーに引っかかってしまう現象です。
いわゆる、ごみの橋掛けといったところです。
ごみホッパブリッジは、よくあるトラブルのひとつです。
ごみホッパブリッジの対処法1.
ごみがホッパーに橋掛かっているわけですから、給じんにごみが落ちませんので、ごみ枯れという現象が炉内で起こります。【ごみ枯れ:下記参照】
もし、ごみホッパブリッジが起こってしまったときの対処法ですが、CRT操作でホッパゲートを開閉してみてください。
ごみホッパブリッジの対処法2.
それでもダメでしたら、クレーンでごみを掴んだ状態でホッパーに詰まっているごみを突いてください。
ごみホッパブリッジの対処法3.
それでもごみが落ちなければ、人海戦術です。
みんなで長い棒を持って、中心に穴をあけるようにごみを突くのです。蟻地獄を作るイメージです。
ごみホッパブリッジの見つけ方
ブリッジの見つけ方ですが、給じん機の横にホッパーを冷やす、ごみホッパ水冷ジャケットがあります。
巡回点検時にごみホッパ水冷ジャケットの冷却水温度がいつもの温度より高ければ、ごみがブリッジしています。
至急、中央に「〇号ホッパー、ブリッジの可能性あり」と無線で連絡します。
中央でブリッジの対応をしてもらい、ごみ枯れを防ぎます。
ごみ枯れとは焼却炉内で燃やしている燃焼物が不足することです
例えば、焼却炉内で焼却灰が主灰ゲートに落ちずにステップの、ある一か所に集中してどんどんたまっていくことがあります。
そのごみがダマとなったり山となったり、または壁ができる現象も含めて、ごみ枯れと呼びます。
この場合、本当は「ごみ溜め」と呼んだ方がいいのかもしれません。
ごみ枯れは放っておくと重大事故につながります。
重大事故とは主灰出しコンベヤ内が何メートルにも及んで未燃物だらけになることです。
写真で見ただけでも愕然とします。
ごみ枯れが起こる3つの原因
- 運転員の炉内の未確認により手動操作を怠った撹拌不足。
- ホッパにごみがブリッジしている可能性。【対処法は上記、ごみホッパブリッジに記載】
- クレーン運転士による、ごみの入れ忘れ。
ごみ枯れの対処法1.
CRT画面で乾燥段と燃焼段の温度が極端に高く、炉内温度が極端に低いと感じたら、窓を覗いて炉内を確認します。
炉内のごみが少ないと感じたら、すぐにクレーン担当者に「ごみ枯れです」と連絡してごみの投入要求をします。
ごみが投入されたら乾燥段と燃焼段をCRTを操作して手動で撹拌します。
(乾燥段温度、通常80℃→ごみ枯れ時135℃くらいまで上がります。)
ごみ枯れの対処法2.
ごみがダマとなっていたり山となっていた場合の対処法は、ダマや山となっているところのステップを数回手動で撹拌し、ごみをならします。
続いて空気流量を調整します。
それでも燃焼状態が悪ければ、助燃バーナーを装着し確実にごみを焼き尽くします。
主灰出しコンベヤ内を未燃物だらけにしないために最善を尽くします。
シールとは封水です
一般的にははシール水というふうに呼ばれます。
排気復水ポンプのストレーナーや機器冷却塔のストレーナーなどのシール水で真空状態を保たなければいけない箇所で使われる言葉です。
例えば、「水でシールされてるから、これ以上水を絶対抜くんじゃないぞ!下手したらタービントリップするからな!」といった感じで言われます。
シールまとめ
シールとは封水して予防線を張ることです。
ごみホッパシールとは
また、ごみホッパも実はごみでシールされています。
どういうことかと言いますと、ごみ投入要求のチャイムが鳴ってから約30分~40分以上ごみをホッパに入れ忘れると、ごみホッパから火が吹くのです。
(わざとホッパにごみを入れない場合もあります【下記参照】)
また、ボイラ設備には誘引ファンというものがあり、誘引ファンが炉内のごみを引っ張っています。
そのため、ごみホッパにごみを入れ忘れると、ごみホッパがごみでシールされないため空洞になり火が吹きます。
わざとホッパにごみを入れない場合
ごみにはごみ質というものがあります。
月曜から金曜のごみは軽いとか、週末のごみは水分を含んで重いとかがあります。
(腐ったごみは重いです)
そしてごみが重いと、ごみがホッパ内でズルズルと下にずり落ちてしまいます。
よって週末の重いごみを燃やす場合は、演算で割り出された1時間の投入回数内で投入量を抑えるために、わざとホッパにごみを入れないといった状況が生まれます。
(本来はホッパから火を吹く危険性を考えて、投入回数は無視した方がいいのです)
ですからホッパが、ごみでシールされないといった現象が起こるのです。
スチームトラップとはドレン排出装置です
スチームトラップは蒸気配管内の不要なドレンを排出する装置です。
ボイラ設備の各蒸気配管に設置されています。
スチームトラップが設置されている理由
ボイラー設備の蒸気配管内は純粋な蒸気だけで通気しなければなりません。
高圧の蒸気が集まって液化したドレンを自動で排出させるのが目的です。
スチームトラップの不具合
スチームトラップは定期的に「カチッ、カチッ」という音を鳴らしながら動作します。
その「カチッ、カチッ」という音が鳴っていなければ不具合、もしくは詰まりです。
詰まりの場合は軽く叩いてみてください。
叩いてみて直らなければ新品と交換です。
タービントリップとは、なかなか体験できない大事故です
タービントリップとは、発電設備のある事業所において何らかの内的要因、あるいは外的要因があって電気供給がエラー停止することです。
タービントリップを簡単に申し上げましたが、このタービントリップというのはなかなかの曲者です。
一度タービントリップしたら事業所全体にインタロックがかかり、ボイラ設備までエラー停止してしまいます。
プラントで発電所の事故を疑似体験できます。と言っても一生に一度あるかないかです。
(私は3回体験しました)
インタロックされたボイラ設備に※自動復旧はありません。
まず、出て来れる人を電話で呼び出します。
みんなでスクラムを組み、手分けして再起動にとりかかります。
復旧まで1日以上かかります。
発電所における電力事故の初歩的な感じと思ってください。
初歩的といっても心臓がバクバクし、冷や汗がダラダラ流れるほどの緊張感です。
【※自動復旧…例えばビル冷暖房で使われる冷温水発生機は、エラー停止後に予備機自動切替(復旧)されるものがあります。】
タービントリップ1回で〇千万円が台無しに
復旧までのあいだ、病院や温水施設に蒸気を送気できません。
つまり、一度のタービントリップで全てが台無しになるのです。
損害金も膨大です。(事故保険が降ります)
タービントリップの内的要因と外的要因
タービントリップの内的要因は、運転員の知識不足による現場での操作ミスやCRTでの入力ミスです。
タービントリップの外的要因は、落雷や電力会社の事故並びに操作ミスです。
タービントリップは、ほとんどが外的要因で起こります。
導電率とは水の透明度を表します
環境プラントでは純水製造装置と呼ばれるものがあります。
そこには純水製造装置を制御する純水制御盤という盤があります。
その純水制御盤には導電率計というものがあります。
導電率計とは水の純度を計測する測定器です。
水の純度と通電の関係
水の純度を計測するとはどういうことか。
例えば、映画によくあるシーンで、用水路に追い詰められた人が機転を利かして電線コードを引きちぎり、水の中に電線コードを浸すとビリビリビリビリ~って、追っ手を感電死させるアレです。
アレは用水路の水が汚れているから電気が通るのです。
純水製造装置ではなぜ、導電率計が設置されているのか
ボイラー缶水は純度の高い水を使用します。
そこで純度の高さを計測するために、導電率計で水の導電率を測ります。
そのときに導電率が高い(100%に近い)ほど、水が電気を通すので水が汚れているということになります。
反対に導電率が低い(0%に近い)ほど、水が電気を通さないので水がきれいだということになります。
さっきの映画の話に戻すと、きれいな水ならば、電線コードを水に浸しても感電死しません。
水が汚いから電気を通すので感電死するのです。
一般的なトラフとは『海溝』と『U字型』の収納倉です
一般的にトラフは南海トラフなどの海底にある深い溝を指します。
他には、船底にあたる船倉の部分や、ケーブルの埋設工事で使われるコンクリートの長いケースもコンクリートトラフと呼ばれます。
要するに、U字型で何かを収められるものがトラフにあたるわけです。
環境プラントのトラフとは水槽です
例えば環境プラントでは汚水処理施設に、汚水を浄化させるための沈殿槽と呼ばれるものがあります。
そこで「沈殿槽のトラフが云々かんぬん」と言う場合があります。
つまり環境プラントのトラフは水槽の槽という認識でとらえてください。
ドレンとは不要な液体です
ドレンをプラント専門用語として説明するならば、ドレンとは元々蒸気配管内の蒸気です。
その蒸気が集まって液化したものがドレンです。
ドレンは不要な液体として捨てられます。
蒸気配管内のドレンは配管内の不純物です
ボイラー設備の蒸気配管内は純粋な蒸気だけで通気しなければなりません。
配管内のドレンは蒸気通気の圧力不足を起こす不純物です。
しかし、どうしても蒸気は配管内では液化してしまいます。
液化した元蒸気は不純物のドレンとしてスチームトラップで排出されます。
ドレンまとめ
一般的には、どの業界でも要らなくなった液体をドレンと言います。
パージとは換気です
パージは換気または排気です。
火気を含むガスをパージして排出させます。
パージにはプレパージとポストパージがあります。
プレパージとは
プレパージは予めバーナー点火開始前にボイラー炉内のガスを通風ファンで換気することです。
ポストパージとは
ポストパージは燃焼停止後のボイラー炉内のガスを通風ファンで換気することです。
パージまとめ
プレパージはボイラー起動前における最初に行う換気です。
ポストパージはボイラー停止後における最後に行う換気です。
ばいじん計とはダスト濃度計です
大気汚染防止法により国が設定した、ばいじん排出基準が決められています。
そこで、大気汚染防止法の規制項目の中から該当する基準値に当てはめて、ばいじん濃度の自主規制基準値を決めなければいけません。
どのプラントでも、ばいじん濃度の自主規制基準値が決められており、だいたいのプラントでは0.02g/m3Nまで自主規制しています。
厄介な、ばいじん漏洩の話
CRTトップ画面に、ばいじん濃度が出る計測表示が小さく出ています。
この値は平常時ではずっと0.0g/m3Nを示していますが、少しでも数値が出ると厄介です。
もし数値が出た場合、ばいじんが出る原因の一つとして考えられるのが炉壁のピンホール(穴)です。
次回のオーバーホール時にピンホールを見つけて溶接をしなければなりません。
ただし、あくまでも自主規制ですので厳しく見張る必要はありません。
0.1g/m3Nぐらいまででしたら暗黙の了解的事項で様子見してもらっても大丈夫です。
なぜなら、計測器の不具合などによる他の原因も考えられるからです。
また、精密なピンホール調査をするためには次回のオーバーホールまで待たなくてはならないからです。
誰もが知っておくべき、ばいじん計の場所
ある協力業者が副班長にばいじん計の場所を聞いたところ、「知りません」という返事をされたなんてエピソードがあります。
後になって、その協力業者は「副班長がばいじん計の場所を知らないなんてダメだ‥」と漏らしていました。
ところが、ばいじん計の場所は意外と誰も知りません。
しかしながら、ばいじん計が出す数値はプラントの運営を左右します。
是非とも、ばいじん計の場所を知って覚えておいてください。
どの事業所でも、ばいじん計は目につかない場所にあります。
誰もが、ばいじんに着目しない理由
ばいじん測定値はCRTトップ画面にも表示されているので、いつでも見れるという理由から巡回点検項目から外されていました。
ですから誰もが、あまり、ばいじんを意識せずにいたのかもしれません。
ハンチングとはグラフが小刻みに震える現象です
CRT画面上で各ボイラ設備の状態グラフが小刻みに震える現象です。
CRT画面にボイラ設備の不具合を状態グラフが小刻みに震えて教えてくれます。
ハンチング現象で表示される不具合は警報が上がらないので、自分でトレンドチェックをしてハンチングを発見しなければなりません。
ハンチングを見つけて不具合の対処をする
例えば、※熱電対などの信号を拾う端子に緩みがあった場合や熱電対本体の劣化などで、CRT画面のグラフがハンチングします。
その画面のハンチング状態が見つけられることによって、はじめて現場で不具合の処置ができます。
【※熱電対…炉内温度を検出する1m弱の金属製の棒(消耗品)】
ハンチングはボイラー業界用語
このハンチングという言葉はボイラー業界でしか聞いたことがないので、おそらくはボイラー業界用語です。
因みにボイラーのテキストにもこの言葉を見かけます。
ハンチングまとめ
ハンチングは"ボイラ設備の不具合がCRT画面のグラフに震えて表れる現象"という認識でとらえてください。
フランジとは、まるい鉄板です
ここではフランジを円形の平板(厚さ1.5cmの鉄板)として解説します。
フランジは2種類あります
- 主に使用されるのが、真ん中に配管を通す穴の開いたフランジです。
- 次に使用されるのが、めくらフランジと呼ばれる穴の開いていないまっさらなフランジです。
フランジの役割
- 穴の開いたフランジは配管同士をつなぎ合わせたり、配管とボイラ設備をつなぎ合わせたりする役割もします。
フランジの四隅にはボルトを通す穴が開いていて、ボルトナットで様々なモノと組み合わせることができます。
- めくらフランジは蓋の役割をします。
フランジの不具合
フランジの結合部位にはパッキンを挟みます。
パッキンが劣化すると水が漏れます。
水が漏れたらパッキンを交換します。
ブローとは「排出する」という意味です
例えば、「ブロー弁を開けてブロー水を出して」というふうに使われます。
ですから「ブローして」と言われたらブロー弁を開けてください。
因みに英語のスラングで、おならもブローと言います。
ボイラ全ブローとは
ボイラドラム内のボイラ缶水を全ブローで全部抜く作業です。
ボイラ連続ブローとは
ボイラ缶水の濃縮防止を目的としたブローです。
ブローすることにより、ボイラ缶水内の薬液量がちょうどよく薄まります。
経験値で決められたブロー量を、24hボイラドラム連ブロー弁よりブロー水を排出します。
CRTボイラ連続ブロー量設定値 | |
一日の焼却量 設定値 | 一時間の連続ブロー量設定値 |
160t/d | 0.28t/h |
150t/d | 0.26t/h |
140t/d | 0.24t/h |
130t/d | 0.22t/h |
120t/d | 0.20t/h |
110t/d | 0.19t/h |
【※数字はあくまでも一例であり目安です。全ての事業所において同様に運用はできません。】
呼び方で世代が分かるpH
pHも今では教え方が変わりました。
昭和生まれはペーハーと呼びますが、平成生まれはピーエイチと呼びます。
因みにペーハーはドイツ語読みで、ピーエイチは英語読みです。
私はペーハーと呼びますので、ここではペーハーとして呼ばせていただきます。
ペーハーとは
【酸性(0)―中性(7)―アルカリ性(14)】を示す指標です。
「3に向かっていく方が酸」というふうに覚えると、覚えやすいです。
ラッキングとは配管に被せるカバーです
受水槽やポンプ廻りの配管に被せます。
素材はステンレス製のものから、ウレタンフォーム・グラスウール製のものまであります。
ラッキングの役割は、断熱・耐熱・配管の保護です。
別名、保温材とも呼ばれています。
プラント業界でしか使われていない言葉と聞きました。
35歳以下のあなたへ
ここまでお読みになられていかがでしたでしょうか?
環境プラントの仕事が、ある程度お分かりいただけたかと思います。
入社時に、これらの専門的な言葉を知っていると、業務がスムーズにはかどります。
要するに、アドバンテージが得られますので、今後の立ち回りが違ってきます。
また、これらの専門用語を熟知していれば、後輩たちの指導にも生かせます。
是非、お役立てください。
ご安全に。
