Building management & Energy management

ごみ焼却場の仕事|薬品の取り扱い



環境プラントに危険物の免許が必要な理由

環境プラントでは様々な薬品を取り扱っています。

薬品の残量が減れば薬品を注文して、運搬業者が薬品をお届けに上がります。

薬品を受け入れるために、環境プラント運転員が受け入れ口で立ち合いをします。

そこで、不備・不手際がないように、受け入れ現場を監視しなくてはなりません。

そのために、環境プラント運転員は危険物乙種第四類の免許を必要とします。

※薬品受け入れ立ち合い時は防毒マスクを着用します

灯油

焼却炉の立ち上げ(下げ)作業で、起動バーナーと助燃バーナー使用時に消費します。

受け入れ前と受け入れ後に灯油ストレージタンクの検尺をします。何㎥増かを量ります。

灯油1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

アンモニア

窒素酸化物(NOX)という公害を抑える目的で消費します。

漏洩が懸念されるため、あらかじめアンモニア室内床面に水を撒いておきます。

なお、アンモニア毒素は水で中和されます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

消石灰

消石灰は粉状の薬品です。

塩化水素(HCL)と硫黄酸化物(SOX)という公害を抑える目的で消費します。

排ガスを中和させるために、受け入れ時に消石灰バグフィルターボタンを押します。
→30分刻みでタイマーは自動停止します。

(HCLとSOXを中和し除去する目的で、バグフィルター手前の煙道に消石灰を前もって吹き込むためにボタンを押します)

もし受け入れ時の不手際で消石灰をこぼしてしまった場合は、絶対に水で洗い流してはいけません。

なぜなら、発熱の可能性があるからです。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分、もしくは先月の消費量によっては2台分です。

苛性ソーダ

苛性ソーダの正式名称は水酸化ナトリウムです。

苛性ソーダは強アルカリ性pH11くらいです。/ pH指標【pH酸性(0)~pH中性(7)~pHアルカリ性(14)】

ボイラドラム内酸化腐食防止のために、ボイラー缶水のpHをアルカリ性にします。

また、苛性ソーダはビンのラベル剥がしにも使われる薬品です。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

塩酸

ボイラー缶水の水質を良くするために、ボイラー缶水を24h連続でブローをします。
(薬液による濃縮防止のためです)

ボイラー缶水のブロー水は、苛性ソーダの影響により強アルカリ性(pH11くらい)です。

下水道法により、強アルカリ性のブロー水をそのまま下水に排出できません。

下水道法では、汚水のpHは5.8~8.6の間で排出させなければなりません。

よって、強アルカリ性(pH11)のブロー水を中和させるために、塩酸を添加してpHを5.8~8.6に調節します。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

液体キレート

環境プラントで使われるキレート剤は、重金属安定剤とも呼ばれています。

水で希釈されたキレート剤と飛灰を混錬機こんれんきで練りこみ、飛灰固化成形機ひばいこかせいけいきで固化排出します。
(ニョロニョロした形になります)

出来上がった飛灰固化は協力業者のダンプで最終処理場に運ばれます。

最終処理場で埋められる際に、鉛などの重金属が土中に溶け出さないように液体キレートを飛灰に混ぜます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

凝集剤ぎょうしゅうざい

凝集剤は第二塩化鉄や硫酸アルミニウムなどがあります。
(これらは無機凝集剤むきぎょうしゅうざいとも呼ばれます。)

凝集剤とは水の中の汚れ(小さな浮遊物)をギュッとまとめて大きくする薬品です。

汚れを大きくして取りやすくします。雪だるまのイメージです。

汚れを大きくすれば簡単にアミでもすくうことができます。

汚れの除去は水質の改善や産廃処理のコスト削減にもつながります。

環境プラントには汚水処理施設があります。

汚水処理施設には沈殿槽と呼ばれる汚水槽があります。

沈殿槽で凝集反応を利用して汚れが目に見えるように大きく形成させます。

ギュッとまとめて大きくなった汚れのかたまりをフロックと言います。
【凝集物=フロック=かたまり】

1回目の凝集は基礎フロックと呼ばれる小さな汚れのかたまりを作ります。

2回目の凝集は粗大フロックと呼ばれる大きな汚れのかたまりを作ります。
凝集助剤ぎょうしゅうじょざいを使用(下記参照)】

最終的に粗大フロックは浮遊固形物を分離・除去するスクリーン装置と呼ばれる機械で処理されます。

薬品1回の受け入れ量がタンクローリー1台分です。

凝集助剤ぎょうしゅうじょざい

凝集助剤は高分子凝集剤(ポリマー)とも呼ばれます。粉末状の薬剤です。

凝集処理は大きく2つの工程で分けられます。

1回目の凝集で基礎フロックを作る工程が凝結反応です。

2回目の凝集で基礎フロックを粗大フロックに成長させる工程が凝集反応です。

この2回目の凝集で基礎フロックの吸着粗大化に使用される薬剤が凝集助剤(ポリマー)です。

2回目の凝集で粗大フロックのかたまりを作るポリマーは、粗大フロック同士をつなぐ鎖状の成分とお考えください。

薬剤の搬入は1体20㎏のセメント袋的な感じで入荷されます。

清缶剤せいかんざい

ボイラー水を軟化させます。

ボイラー水に含まれるスケールと呼ばれる不純物(硬度成分)を連続ブローにより沈殿排出します。

スケールの生成を少なくします。

ボイラーの腐食を防止します。

焼却炉立ち上げ前に清缶剤移送ポンプ2台でボイラドラムへ約数※分間くみ上げて約※㎏の基礎投入をします。(初期投入後の満水保缶を示唆します)

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

脱酸剤だつさんざい

脱酸素剤の正式名称は亜硫酸ナトリウムです。

ボイラーの酸化腐食を防ぐために、ボイラー水の溶存酸素を除去します。

焼却炉立ち上げ前に脱酸剤移送ポンプ2台でボイラドラムへ約数※分間くみ上げて約※㎏の基礎投入をします。(初期投入後の満水保缶を示唆します)

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

次亜塩素酸ソーダじあえんそさんそーだ

機器冷却塔や井水原水槽の水質管理で使用します。
(ビル管理では受水槽や高置水槽の水質管理で使用します)

レジオネラ菌などを殺菌消毒します。

補給時に薬液タンク内の原液を純水で希釈します。

希釈率は各事業所のルールで決められている数字に従います。

薬品の搬入はケース単位(1c/s20㎏)で入荷します。

 

あなたが日々安泰に過ごしていただくために

ここまでご覧になられていかがでしたでしょうか。

かなり危険な薬品も取り扱うので、身の危険を感じた方もいらっしゃるかと思います。

ひとつ取り扱いを間違えれば、大事故につながります。

全国の事業所でも薬品事故の報告はあります。

しかしながら、薬品事故はそうそうあるわけではありません。

薬品の知識を得て、機械整備を怠らなければ日々安泰な仕事です。

安泰でいてもらいたい‥だからこそ、乙四の免許が必要です。

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もしあなたが確実にプラント会社に入社したいのであれば、事前に乙四の免許を取得した方が有利です。



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