Building management & Energy management

ビル管理に必要な資格

もしあなたが設備の資格取得をご検討中であるのならば、このページは資格取得の参考になるでしょう。

現場環境に応じて求められる資格があります

ビル管理業界で求められる資格

ビル管理業界に必要な資格はたくさんあります。『エネルギー管理士』『建築物環境衛生管理技術者(ビル管)』『ボイラー・タービン主任技術者』『電気主任技術者(電験)第一種~第三種』『第一種・第二種電気工事士』『危険物乙種第四類』『特級~二級ボイラー技士』『ボイラー整備士』『第一種~第三種冷凍機械責任者』『防災センター要員』等があります。
これらの資格はすべて必須ではありません、現場の環境が持つ性質に応じて一つ一つの資格が求められます。

新人が最低限求められる資格

『浄水場』『下水処理場』
『危険物乙四』と『二種電気工事士』の資格が求められます。
入社後に水処理関係の資格も求められます。

 

『ごみ焼却場』『給食センター』『旅館』『日帰り温泉』
『二級ボイラー技士』と『危険物乙四』の資格が求められます。場合によっては『二種電気工事士』も必要です。

 

『病院』『ホテル』『百貨店』『学校』
『二級ボイラー技士』と『危険物乙四』と『三種冷凍機』と『二種電気工事士』の資格が求められます。

 

通常のビル設備管理(ホール等含む)
オフィスビルでいうならば、必須である『二種電気工事士』の資格だけで用が足りる場合があります。
(他の資格は必要に応じて求められます)

 

マンション管理
警備・守衛的な役割の『防災センター要員』と呼ばれる講習だけで取得できる認定証が求められます。
場合によっては『自衛消防技術認定証』も求められます。

以上が責任者を除く人たち(主に新人)が最低限持っておいたほうがよい資格です。

『エネ管』『ビル管』『電験三種』といった資格もございますが、ここでは初心者を対象とさせていただきますので、上位資格は省略させていただきます。

ここまで必要な資格のご説明をしましたが、上記で挙げられた資格は必ずしも最初から持っていなければいけないものではありません。

設備会社によっては採用されてから取得してもいいと言う会社もあります。

 

資格の定義って何?『資格を持たないことにより起こり得るデメリット』とは

言ってしまえば、資格は法令尊手上の建前であり、且つ形式的なものです。

資格が必要か、あるいは必要でないかは請負先現場の施設課担当者の裁量で決まる感じがあるのです。
(請負先現場担当者の裁量だけではなく、設備会社上層部の裁量にも影響される場合があります)

例えば、大型温水ボイラーやターボ冷凍機または吸収式冷凍機などを扱う事業所で「一級ボイラー技士と二種冷凍機械責任者の資格を持っていなければCRT(中央監視PC)で運転監視をさせない」という担当者の資格至上主義による決め事で縛られている現場があります。

それにより、どうなるかと言いますと、資格ありきでの運営は、決められた範囲内でしか仕事が回せなくなるので、困っている仲間を助けたくても助けられないといったデメリットが生じます。

情けない話ですが、資格の有無が影響して"仲間同士で頭を抱えて右往左往する"なんて光景もこの業界では珍しくないのです。

ですから、本末転倒にならないようにするには、資格に囚われずに遊撃的に動ける(助け合う)職場環境を自然に作るのが理想です。

ほとんどの現場が資格ありきではないのですが、上記でご説明しましたように、担当者の思いひとつで融通が利かなくなるのです。

反対に、資格を必要としないとまでは言いませんが、資格云々かんぬんと言わない緩い現場や設備会社ももちろんあります。

それは、彼らが『現場経験があってこその資格取得』という概念を感覚的に理解しているからです。

結局、どんな責任者(担当者)と出会うかで資格の在り方が決まります。

 

電気の資格取得者が優遇されるって本当?
『資格を持つことにより得られるメリット』とは

皆、口に出しては言いませんが、ビル管業界は持っている資格によって序列があり、電気の資格所持者が優遇されます

そして、現場によっては電気班と電気の資格を持っていない機械班に分かれて日常業務を行います。
(電気班と機械班で分かれるのは10人以上の人数の多い現場に限ります)

電気班の人と機械班の人が一緒に仕事をすることは、特別な設置作業や修理を除いてほとんどありません。

まず電気班と機械班で性質をざっくり分けますと「電気屋は変わった人が多くて、機械屋は頑固な職人気質が多い」と言われています。

電気の資格、特に電験三種と言われる資格は、どのビル現場でも取得者が一人必要です。

また、電験三種は難関資格のため、この資格を持っている人は、現場責任者または班長に抜擢されます。
(因みに特高電気室のある現場は電験二種取得者が一人必要です)

 

ビル管理業務には、人がやりたがらない設備以外の仕事もします

資格の話ではありませんがご参考までに取り上げます。

ビル管理設備員清掃作業一覧

ルーフドレン清掃(陸屋根(りくやね)清掃)
建物屋上の清掃です。排水口の目皿めざらにたまった枯葉やゴミを取り除きます。建物の造りによっては危険な高所作業のところもあります。

 

ドライエリア清掃
ドライエリアとは、地下室を持つ建物の外壁を囲むように掘り下げられた空間です。日本語表記ではこれを『外堀』とは言わず『空堀からぼり』と言います。空堀の排水口の目皿にたまった枯葉やゴミを取り除きます。

 

トイレのつまり除去作業
本来であれば清掃担当者の管轄ですが、専門の道具を使わなければいけないほどの詰まりは、設備に対応の依頼が来ます。依頼があれば誠実に対応します。

 

嘔吐物や失禁の清掃処理
清掃担当者が不在の場合、設備員が代わりに対応します。ゴミ袋・新聞紙・モップ・中性洗剤・次亜じあ塩素酸ソーダを持って行き汚物を処理します。

 

どうしてこんな信じがたい不公平があるのか?

なぜ清掃の仕事を羅列したかをご説明します。

ビル管理の仕事は運転監視や点検及び修繕だけではなく、清掃作業もします。

ですが、我々の仕事の一つである清掃作業、それをやらなくていい人たちがいるのです。

例えば、電気班と機械班に分かれた人数の多い現場(10人以上)では、なぜか電気班の人は清掃作業をしません。
というよりも、やらなくていいのです。

現場の体質にもよるのでしょう。

私の知っている限りでは、どの現場でも電気班の人は、清掃作業やトイレの詰まり対応を免除されていました。

じゃあ一体誰が清掃作業やトイレの詰まり対応をするのかといいますと、機械班の人が対応します。

「それじゃあ不公平じゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、電気の勉強をすれば、その苦労をし量ると「それなりのアドバンテージがあってもいいのでは?」と不思議と思えてきます。

必要性の面において、どのビル現場でも電気の技能は高く買われます。

また、電気関係の資格取得は現場責任者にとって必須条件です。

「じゃあ、その他の資格はどうでもいいのか?」と言われたら、そんなことはありません。

いろんな勉強をすることによって、頭の中で複合的にリンクしたり、専門用語を覚えたりもできますので、最終的には知識が循環します。

ただ、その他の資格だけで資格取得を考えますと、将来性に不安要素があるのです。

例えばボイラーの場合、これから大型蒸気・温水ボイラーは減っていき、小型貫流ボイラーが増えていきます。

そして冷凍機の場合、これからターボ冷凍機や吸収式冷凍機は減っていき、冷温水発生器が増えていきます。

つまりこの先、機械関係の資格がさほど求められなくなるのです。

要は最初の段階で、資格取得の優先順位を的確に決めてから勉強をすることです。

そうじゃなければ後々不利になります。

"最初に何の資格を選択(取得)するかでビル管人生が決まる"と言っても過言ではありません。

まずやりたい業務を明確にし、「最初はこの資格がいいのだろうか…」「この資格は自分にとってこれから先、本当に必要なのだろうか…」と熟考してから決めてください。

機械関係の資格がさほど求められなくなる

小型貫流ボイラーと冷温水発生機の取扱いは簡単です。
小型貫流ボイラーと冷温水発生機を扱う場合は、特に資格を取得する必要はありません。
小型貫流ボイラーの取り扱いに関してだけ言えば、ボイラー実技講習会の修了証だけお持ちであれば大丈夫です。

 

他にもある、初心者が陥りやすい優先順位の間違いとは?

ビル設備管理員になる前の初心者が、よくやってしまいがちな例をご紹介します。

それは、一つ資格を取得すると「次はどの資格を取ればいいんですか?」といった質問をされる人がいます。

そして、次の目標が決まると、また資格を取るための受験勉強を繰り返すのです。

残念ですが、それだとかなり人生を遠回りしてしまいます。

貴重な人生の時間を一刻も無駄にはできません。

じゃあ、どのような考え方で再就職と向き合えばいいのか‥。

例えば、だいたいの求人募集広告では『二種電気工事士と二級ボイラーは必須』と書かれています。

もしあなたが現在、これら二つのうち二種電気工事士だけお持ちであるならば、採用条件の7割はクリアーしています。

ですから今、生真面目に次の資格を取るための勉強をする必要はありません。

なぜなら、次の資格を取得する前に、あなたにはやることがあるのです。

それは、今すぐどこかの設備会社に入社してビル設備管理員になることです。

次の資格を取得するのは、そのあとにしてください。

反対に、もしあなたが二級ボイラーしかお持ちでない場合ですが、あなたが採用される確率は低いです。

なぜなら、二種電気工事士をお持ちの方が優遇されるからです。

二級ボイラーしかお持ちでないあなたが採用される基準を高めるには、二種電気工事士免許を取得することです。

 

初心者が陥りやすいボイラー業務の落とし穴

もうひとつ大事なことがあります。それはボイラー業務についてです。

ボタン一つで発停ができる小型貫流ボイラーや、給湯ボイラーの扱いでしたら、初心者でも問題ありません。

ところが、清掃工場や病院などの大型蒸気・温水ボイラーを扱うボイラー業務は長年の経験年数が必要です。

具体的に大型蒸気・温水ボイラーの扱いについてご説明いたします。

大型蒸気・温水ボイラーの立ち上げ、立ち下げ作業は、小型貫流ボイラーや給湯ボイラーのように、ボタン一つで発停というわけにはいきません。

大型蒸気・温水ボイラーの立ち上げ下げの全工程には、半日以上かかるのです。

とても初心者じゃ扱いきれません。

初心者が二級ボイラー免許を持っているからと言って、安易に大型蒸気・温水ボイラーを扱う事業所に飛び込みますと痛い目に遭います。

ですから初心者は、その辺を考慮した上で再就職先を決めなければなりません。

立ち上げ後の大型蒸気・温水ボイラーは数か月間に渡って24h連続自動運転されます。この期間における運転監視だけは楽です。

 

資格をお持ちでないあなたが、最短ルートでビル設備管理員になる方法

もしあなたに「ボイラーの運転監視や冷凍機の運転監視がやりたい」といった明確なビジョンがある場合、この章を飛ばしてください。

もしあなたに「ボイラーの運転監視や冷凍機の運転監視がやりたい」といった明確なビジョンがない場合、この章はあなたのお役に立ちます。

何の資格もお持ちでない初心者が、採用されやすくするにはどうしたらいいのかをお伝えします。

それは、『初心者が陥りやすい優先順位の間違い』でお伝えしたやり方と一緒です。

そうです。あなたが最初に何をするべきか、それは二種電気工事士の取得です。

そして次に、あなたのするべきことは、どこかの設備会社に入社することです。

間違っても資格をそろえてからの入社はしないでください。時間がもったいありません。

心配しなくても大丈夫です。持っている資格が一つだけでも二種電気工事士ならば優遇されます。

優遇されます。…あくまでも一次情報に基づいた見解です。あなたが確実に採用されるという保証はできません。】

応募の際のお問い合わせにこの質問を

応募の際に「就業先では電気班と機械班で分かれていますか?それとも分かれていませんか?」と確認されるのが無難です。
そして、できることなら電気と機械で班別に分かれていない現場をおすすめします。

なぜ電気と機械で班別に分かれていない方がいいのか?

"電気も機械も関係なく合同で仕事をすることによって一緒くたに勉強できるから"
"電気と機械で対立して軋轢を生まないから"
といった理由から電気と機械で班別に分かれていない方がいいのです。

 

それ本当に必要な資格ですか?
『初心者が上位資格を取ってはいけない理由』

ごくまれに現場経験のない新入社員で、『一級ボイラー技士(暫定)』『二種冷凍機械責任者』『電験三種』といった上位資格を所有されている方と出会います。

これらの資格は難しい専門用語が多いので、現場経験がなければ、ただ勉強をしても理解が深まりません。

ですから、現場経験がないと問題集の設問自体"何を言っているのか解らない"と言っても過言ではありません。

簡単に受かる資格ではないのです。

それにもかかわらず、上位資格に挑戦して短期間の勉強で合格する人たちがいます。

なぜ、その人たちは、上位資格に挑戦して短期間の勉強で合格してしまうのか?

理由は簡単です。それは、その人たちの地あたまが良いからです。

ビル管業界には高学歴のエリートたち、例えば、定年退職した元銀行員、元大手建設業、元大手商社、元官公庁関係者などがいます。

さらに、その人たちの中には、ハローワークの訓練校で勉強されてから就業に至る人もいます。

そんな単純な理由でありますが、実は、その地あたまの良さが災いすることもあるのです。

 

なぜ、地あたまの良さが災いするのか?

それは、現場責任者、もしくは班長に抜擢されやすいからです。

・・・

「現場責任者や班長に抜擢されるのが災い?」と思われるかもしれませんが、もし会社があたなの履歴書を見て「高齢者で上位資格をお持ちなので能力があるのかもしれない」というふうに判断した場合、会社はあなたの利用価値を大きくし量ります。

例えば、あなたの履歴書を見ながら社内会議では「○○さんはいい年齢ですし、資格も電験三種をお持ちなので現場責任者になってもらいましょう」という話になると思います。

そして採用後、会社はあなたに対して現場責任者になるように交渉を持ち掛けてくるかもしれません。

れも「ちゃんと責任者手当を付けますから」「現場経験がなくても大丈夫ですから」という条件を提示しつつ"人手不足にかこつけて、上位資格を持つあなたを責任者にさせる"なんて可能性が無きにしもあらずです。

本当の理由は"誰もやりたがらない責任者の仕事を誰かにさせなければいけないから"です。

ここで、ある事例を三つご紹介します。

 

初心者が請け負ってしまった三つの大任事例『良い事例と悪い事例』

事例1【良い事例】
当時ある事業所に、30代半ばの設備員がいました。

現場未経験で、大学生時代に取得した電験二種を武器にして採用されたのをきっかけに、 "ペーパー電験二種の責任者代理"という形で職務に従事していました。

その事業所には特高電気室がありました。

この方は若くして責任者代理に抜擢されましたが、仕事を卒なくこなしていましたので特に不利な事情はありませんでした。

これは良い事例です。

 

事例2【悪い事例】
当時70代の設備員の話です。

その方は、若いころから転職を繰り返してきました。

「これではいけない」と思い、人生の途中で一念発起して、力ずくで一級ボイラー技士の資格を取得しました。

それから再就職して、ある事業所に就業先が決まりました。

ですが、喜びはつかの間に終わります。

現場経験の浅いその方は、上位設備員の仕事である大型温水ボイラーと冷凍機(ターボ式と吸収式)の運転監視を任されたのです。

転職を繰り返し、未経験者に近い状態で上位資格を取ってしまい、送り込まれた現場では業務内容が理解できないまま大きな仕事を任されたものですから、精神的に追い詰められました。

そんなこんなで胃潰瘍という理由でその方は職場を離れました。

 

事例3【悪い事例】
事例2と同じ事業所で起こったエピソードです。

現場未経験で二種冷凍機の資格を持つ高齢の方が、上位設備員の仕事である大型温水ボイラーと冷凍機の運転監視を任されました。

運転監視初日、先輩の指導を受けている最中に、その方は緊張から大量の汗をかきはじめました。

そして興奮状態となり、先輩と言い争うように「自分には荷が重すぎる」「何かあってからじゃ遅い」「責任取れない」「新人に大役を任せるのはおかしい」と狼狽ろうばいしながらできない理由を主張。

最後は感情がピークに達して爆発し、夕方ごろ慟哭どうこくしながら退出。そして、その日に離職されました。

 

これから資格を取って再就職に挑むあなたへ知ってもらいたい事実

なぜ私がこのような事例をご紹介したのかといいますと、新人が実力の無いうちから上位資格を取ると痛い目に遭うという事実をあなたに知ってもらいたいからです。

最初から「自分を大きく見せたいから」「給料に反映させたいから」といった理由で上位資格を取るのは間違いです。

例えば、先輩が新人の実力を知っていながら「おい、お前一級ボイラー持ってんだろ、今すぐやってこいよ!」といったパワハラだってあるのです。

ですから、知らなかったでは遅いのです。

資格は平易なものから、あせらずにゆっくりと取得されることをお勧めします。そして、上位資格は仕事に慣れてから挑戦してください。

しかし、もしあなたが初心者で、もうすでに高度な資格をお持ちであるならば、やむを得ません、会社にすべてを包み隠さず打ち明けましょう。

例えば、「私は○○の資格を持っていますが、現場経験はありません」と、面接で正直に打ち明けるのです。そうすることによって、会社があなたに対して無茶な要求をする可能性が低くなります。

あと、資格を持っていないふりをして入社するのもやめてください。ごまかすと後々面倒です。

 

まず最初は取りやすい四つの資格からチャレンジする
その名も『ビル管四点セット』

設備の資格の中で『ビル管四点セット』と呼ばれている、特に必要とされる資格をご紹介します。

  • 二種電気工事士
  • 三種冷凍機械責任者
  • 二級ボイラー技士
  • 危険物乙種第四類

ビル管では基本、これら四つの資格を必要とします。

詳細は下の関連記事でご案内いたします。

Copyright© 建物設備光熱研究所 , 2019 All Rights Reserved.