高置水槽減水警報【電極棒の汚れ編】

目次
【電極棒の汚れ編】
『高置水槽減水警報』を2回に分けてお届けします。
【電極棒の汚れ編】と【リレー不良編】です。
このページは【電極棒の汚れ編】でお届けします。
高置水槽減水警報発報
高置水槽減水警報が発報されました。
常駐のビル現場で実際にあった警報です。
そのときの対処方法をお伝えします。
現場調査および緊急対応
まずは、高置水槽水位低が点灯
同時に高置水槽へ手動運転による汲み上げ実施。
揚水ポンプが自動起動されない。
さらには、受水槽も水位低が点灯
(フロート給水は緊急対応用)
受水槽が低水位にもかかわらず、受水槽上部の給水電磁弁とFM弁が開かない。
不具合の原因は?
不具合の原因は受水槽内の電極棒です。
受水槽に低水位警報が出ています。
よって、受水槽内の電極棒の汚れが原因です。
どうして受水槽内の電極棒の汚れが原因と分かったのか?
シンプルに消去法で考えます。
警報が、上流側の『高置水槽水位低』のみならず、下流側の『受水槽水位低』も発報されています。
よって、揚水ポンプ不良は消去されます。(自動的にリレー不良も消去されます)
あとは、受水槽の給水電磁弁不良とFM弁不良と電極棒不良を疑うだけです。
そうなった場合、センサーの大元である電極棒の汚れが最も疑わしいのです。
もし警報が、上流側の『高置水槽水位低』のみで発報されていた場合
『高置水槽水位低』のみの警報で疑うべき箇所
- 揚水ポンプ制御盤内の自動交互リレー不良。
- 揚水ポンプのインペラー(羽根車)に穴が開いた。
- 高置水槽内の電極棒の汚れ、もしくはボールタップ不良。
これら三点、ないしは四点を疑います。
受水槽から高置水槽への給水ラインと電極棒の仕組み
長さの違いで水位を検知する電極棒【受水槽】
電極棒とは、長さの違いで区分して水位を検知する金属棒です。
満水・復帰・減水・渇水・アース(コモン)で構成されています。
電極棒は、高置水槽と受水槽で作りが違いますので注意してください。
電極棒の解説は、このページでは【受水槽】のみとさせていただきます。
受水槽で電極が5本のタイプを解説
水位がこれを上回ると満水警報が発報します。下回ると満水警報は解除されます。
もし、水位が満水になった場合はオーバーフロー管から水が逃げる仕組みです。
減水後、水位がこれを上回ると揚水ポンプが起動します。減水警報が消えます。
因みに、受水槽は常に水を送り出したい(減らしたい)態勢でいます。
水位がこれを下回ると減水警報が発報します。よって、不具合の疑いがあります。
自動給水のポイントは、水位が復帰を下回ってからです。給水電磁弁が開きます。
水位がこれを下回ると空転防止によりポンプが停止。渇水警報が発報します。
事業所によっては「極低警報」など、「極低」という呼び名で言われます。
アースは端子にジャンパー線をつないで警報を解除するために使われます。
受水槽内の清掃および、電極棒の清掃などで作業をする場合に利用します。
満水と復帰の間が常用水位です。
受水槽内の電極棒清掃を実施
参考資料
『給水ポンプに使用される電極(水位検出)/web contents 株式会社アクア』
